株式会社アイスタイル様は、日本最大のコスメ・美容の総合サイトとして名高い「@cosme(アットコスメ)」を運営されています。
このたび、今後の事業展開における人事戦略上必要なツールとして、「カオナビ」を選定・導入いただきました。そこで、「カオナビ」を選定いただいた理由と、導入後の活用ビジョンについて、代表取締役社長 兼 CEOの吉松様、執行役員の石栗様、ヒューマンリソース部長の久佐野様の御三方にお話をうかがいました。
事業拡大に伴い、会社の成長をドライブさせる経験者たちを積極的に採用していく
―御社の事業戦略や人事戦略についてお聞かせください。
吉松社長:「@cosme(アットコスメ)」から始まった当社の事業は、化粧品だけにとどまらず美容全般に領域を拡大しており、現在はグループ全体で12社を擁しています。さらに、最近では海外展開にも力を入れ、中国やシンガポールでの事業も開始しています。
当社の人事の特徴としては、経験者を多く採用していることですね。たとえば、事業展開に応じて店舗での販売・輸出入・広告営業などそれぞれ専門的に業務を行ってきた経験者を多岐にわたって採用しています。現在は、コスメネクスト(※)が一番社員数のボリュームが増加している事業です。
※ ルミネエスト新宿店を皮切りに2016年11月現在全国で16店を数える「@cosme」プロデュースの化粧品専門店「@cosme store」を運営するグループ会社。「@cosme」の口コミやランキングで人気の商品を扱うほかTSUTAYAとコラボするなど新しい業態を発信し続けている。
―さまざまな業態展開をされている関係上、人材も多岐にわたるわけですね。今後の採用計画などはされていますか?
石栗様:現在の社員数は532名ですが、事業拡大に伴い、今後4年で1,500名に増員する予定です。
―これから1,000人近くの人材が新しく入ってくることになるのですね。
吉松社長:この3年で、違うバックグラウンドを持つ人たちが多数入社してきます。彼らの情報をどうやって経営陣でシェアするか、それと同時に意識統一をどうやっていくかというプロセス管理がとても重要だと感じています。
人事データの個別管理からの脱却、そしてグループ全体の人事データベース構築は喫緊の課題だった
―社員数を3倍にするという計画の中で、「プロセス管理」が重要とおっしゃいましたが、それは具体的にどういうことでしょうか?
吉松社長:社員の状況を把握することが今まで以上に必要になると考えています。これまで人材育成については、会社全体で管理するというよりは、部署ごと・グループ会社ごとに社員を育てようというスタンスであったため、現場での状況把握に重点を置いていました。しかし今後は、研修受講履歴などの多様な人材情報を会社として一元管理していく必要があると考えています。
―これまでに組織づくりで試みた施策などはありますか?
吉松社長:設立当初は、ひとつの“アイスタイル”という会社で運営をしていましたが、そうなると次第に社員のカラーの多様性が確保できなくなっていきました。そのため、設立6,7年目ごろからボード制(子会社化や事業部化)にしてみたのですが、今度は組織ごとの独立性が高くなりすぎて、人材の交流が難しくなってしまったんですね。そこで、3年ほど前からは本来のあるべき姿というか、部署や会社の垣根を超え、グループ全体で人材流動性を高めていくことを念頭に、各事業部や子会社の個性は保ちながらも、istyleグループというひとつの企業体としての組織づくりをしています。
―これまで、人事部ではどのように人事データの管理をされていたのでしょうか?
石栗様:これまでは事業部や会社ごとにExcelで管理していました。今年の7月から、私が人事部門にも関わるようになったのですが、最初に思ったのが「人材情報のデータベースが弱い」ということでした。現在の500名はどうにかなっていたとしても、今後3倍となる1,500名を4年で採用するとなった時に、グループ全体の社員が把握できるようなデータベースのシステムがないと業務負荷に耐えられないだろうということが容易に予測できました。
そこで、@cosmeがデータベースに強いからこそ、スムーズに他事業に展開ができるように、人事においてもまずは、社員の深さを追究できるデータベースが必要だという提案をしたのです。
―これだけ社員数が増えてくると、社員の状況以前にそもそも誰が社員なのかわからないということが起こりませんか?
吉松社長:現在でも、その人のことは見知っていても、その人が当社の社員なのか、それともパートナーで来ていただいている方など、属性までは、顔を見ただけでは分からなくなってきています。7~9月のこの四半期だけでも60人ほど採用しているので、キャッチアップが困難になっているというのが正直なところですね。
「人の深さを追究できる人事のデータベース」が必要だと考え、他にはない仕組みを持つ「カオナビ」を選定
―Excelから人事データベースを構築するにあたって、「カオナビ」を選定いただいた理由は何でしょうか?
吉松社長:カオナビの柳橋社長はアイスタイルで一緒に働いていた仲間ですから、カオナビのことはもちろん以前から知っていましたし、当社も必要な状況になった際には導入しようという話はしていました。
石栗様:人事システムを導入するとなると、名前と履歴書のセットみたいなものではなく、グループ全体の人材の流動性が把握できるように職歴、360度のスタッフとの相性なども含めてデータを抽出しやすい「人の深さを追究できるデータベース」みたいなものが欲しいと考えたのが「カオナビ」導入に繋がったきっかけでもあります。しっかりとデータベース化するなら、今のうちにやってしまおうと意思決定したことが大きいですね。
「カオナビ」で人材の現状把握だけでなく、経営陣と現場の成長ドライバになるための基盤を作り、企業理念を浸透させたい
―カオナビにはどのような情報を入れていますか?
久佐野様:すでにデータとして存在している情報を収めました。基本情報に加えて、研修履歴や語学、資格というような社員ごとの保有スキル、業務経験や異動履歴などの情報も整理して順次入れていく予定です。
―アクセス権限はどのように設定されていますか?
久佐野様:開示範囲は状況を見ながらレギュレーションを整理して行う必要があると考えています。
―今後のさらなる利用計画はありますか?
久佐野様:アンケートや評価などを「カオナビ」の機能を用いて実施し、今までよりも内容が充実したデータを取りたいと考えています。
石栗様:カオナビをベースにして、経営と現場サイドのギャップを埋めて、会社の業績インパクトと個人のキャリア醸成が同時実現できるような流動性のある人事異動を行っていきたいですね。
久佐野様:異動する社員の定性情報を異動先に引き継いでいくことには、現場サイドでも高いニーズがありました。
人事データベースをカオナビで構築していく中で、他にどう使っていくのかも並行して考えていきたいですね。
―ありがとうございます。他にカオナビで実現したいことなどはありますか?
久佐野様:私個人の考えとしては、「カオナビ」を活用して実現したいことが3つあります。 1つ目は、会社の成長のための適材配置と、社員の働き甲斐・自己実現の同時実現すること。
2つ目は、社員情報を「社員カルテ」として活用することによる組織マネジメントの活性化させること。
3つ目は、データを蓄積するだけではなく、分析し、今後の採用や育成にどう活かしていくのかを考えていくこと。
―現状分析だけでなく、今後の人材の発掘・育成にも役立てていきたいということですね。
石栗様:私は退職者やインターンなどのデータを入れても面白いかなと思います。そうすることで、ファクトから傾向分析もできるのではないかと。固定概念にとらわれずにカオナビを使っていきたいですね。
―「カオナビ」活用について、様々なアイディアをお持ちくださってありがとうございます。
石栗様:当社の経営陣はいろいろな経歴を持つ人間が集まっているので、その分、多様な人事制度のアイディアがあります。議論の際にはカオナビを使うことによって、会社のありたい姿への互いのギャップが埋めやすくなり、ボードメンバーにおける経営会議も、より本質的な議論ができるだろうという期待がありますね。
吉松社長:私はカオナビを使うことで、当社の経営理念「生活者中心の市場創造」に基づいて行動できるベースがあるのかということを、社員ごとに把握できるようにしたいと考えています。それは、言葉として覚えているとか、研修に参加したとか、そういったことだけではありません。たとえば管理職なら、部下や現場へのフィードバックや、指導・評価において行動理念が自らの行動まで落とし込めているのかどうかなど、数字だけでなく定性的なコンディション把握や評価にも活用していきたいですね。
―これからの人材登用・組織改編など、アイスタイル様のますますのご発展に役立てていただけるよう、弊社でも精いっぱいサポートさせていただきます!
吉松社長、石栗様、久佐野様、ありがとうございました!
(2016年10月取材)
- 設立
- 1999年7月27日
- 資本金
- 16億855万円(2016年6月末日現在)
- 従業員数
- 532名(連結)(2016年6月末日現在)
- 事業内容
- 美容系総合ポータルサイト@cosme(アットコスメ)の企画・運営
関連広告サービスの提供
- 事業紹介文
- 株式会社アイスタイルは1999年の創業以来、「生活者中心の市場創造」をビジョンに掲げ、日本最大のコスメ・美容の総合サイト「@cosme」やコスメセレクトショップ「@cosme store」など、美容に関わる幅広い事業を展開