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京丹後市役所

京丹後市が挑む、人材マネジメントを通じた新しい働き方の実現

2024.09.04
課題
  • 採用・育成・配置・評価・処遇の全てを連動させた人材マネジメントの実現
  • 散在している人材情報の一元化および活用
  • 個々の職員のスキル把握と人材配置への反映
活用法
  • これまでの人事評価制度の運用をカオナビ上で再現し、人材データを蓄積・活用
  • 顔写真や役職、所属部署、勤続年数などの人事情報を集約し、マネジメントに活用
効果
  • 人材情報が一元化され、マネジメント業務が効率化
  • 職員の顔が見えたり、会話のきっかけを設けることでコミュニケーション活発化へ
  • 職員のモチベーション向上につながる人材配置の実現を予定
  1. 政府認定のセキュリティ基準、クラウドならではの管理の容易さなどが決め手に
  2. 持続的成長に向けた一歩目は職員のスキル把握から
  3. 直感的にわかりやすいUIで、説明会なしで運用スタート
  4. 職員とともに活用方法を考え、人事DXを通じて新しい働き方を模索

京都の最北端に位置する京都府京丹後市では、採用・育成・配置・評価・処遇の全てを連動させた戦略的な人材マネジメントの実現を目的として、2023年度に「カオナビ」を導入。変化の著しい現代を乗り越えるため、人事DXを通じて新しい働き方へのシフトに邁進しています。
今回は、京丹後市の「カオナビ」活用状況や今後の展望について、京丹後市市長公室 人事課 吉岡弘樹様にお話を伺いました。

※本記事の掲載内容は全て取材時(2024年6月7日)現在の情報に基づいています。

政府認定のセキュリティ基準、クラウドならではの管理の容易さなどが決め手に

––はじめに「カオナビ」導入の経緯についてお聞かせください。

近年、京丹後市が対応しなければいけない市民のニーズや課題が複雑化・多様化しており、職員はやり方が決められたルーティン業務だけではなく、今まで以上に自分たちで試行錯誤しながら仕事をすることを求められていました。

その中で、職員の成長を促すために、採用・育成・配置・評価・処遇の全てを連動させた人材マネジメントを取り入れなければいけない状況にあったのが、カオナビの導入を検討した背景です。

加えて、人口減少に伴って公務員の数も減っており、今後業務品質を落とすことなく同じ業務量をさばいていくために、業務効率化やDX化が必須だったことも理由として挙げられます。

––業務上の課題は何かあったのでしょうか?
これまでの仕事の仕方にもさまざまな課題がありました。
たとえば、人事評価や人事異動に関する情報はExcelで管理し、研修は紙で行ってきました。それぞれが単体の業務として完結してしまい、人材情報が散在していたのです。

また、人事の新しい取り組みとして、4年前から週3~4日勤務で副業可能な正規職員の短期任用を行っており、それに伴って、多様な働き方に対応するための人材管理業務が増えています。
そこで、業務を効率化し、職員情報を一元化できるシステムを導入することで、新しい働き方へシフトしようと考えました。

––数あるシステムからカオナビを選んだ理由を教えてください。
複数社のシステムと比較し、政府が認めるセキュリティ認証である「政府情報システムのためのセキュリティ評価制度(ISMAP)」を取得していること。また、クラウドサービスのため、カスタマイズや管理が容易であることから、カオナビの採用を決めました。

カオナビでは、各部署にどの人材を配置したらどのような組織体制になるか、といった配置のシミュレーションができるため、将来的には人材管理だけでなく、人事異動に活用できる点も魅力に感じていました。

京丹後市市長公室 人事課 吉岡弘樹様
京丹後市市長公室 人事課 吉岡弘樹様

持続的成長に向けた一歩目は職員のスキル把握から

––「2030年のあるべき姿の実現に向けた、職員の持続的成長」を23年度の取り組みの軸とされているとのことでしたが、具体的にどのような取り組みをしてきましたか?

人材マネジメントへの注力が急務となっていた中、2023年度に、20名の職員を対象に人材アセスメントを実施し、職員の現状のスキルや能力を測りました。

その結果判明したのが、京丹後市は「イノベーション」や「想像力」に伸びしろがあるということ。市役所の職員はルーティン業務が多い傾向にあるので、必然的に新しいことにチャレンジしようという気持ちが薄れていたのです。今後ますます多様化・複雑化する市役所の業務において、これは大きな課題であると感じました。

このアセスメントはあくまで京丹後市全体としての傾向を把握するものでしたが、今後行っていきたいのは個々の職員のスキル把握です。そこで、カオナビで職員のスキル情報を集約することが、取り組みのファーストステップになります。

その後は、キャリアの転換期といわれる、採用から10年程度のスパンで、各人材の現状把握を行いたいと思っています。最終的には、全職員が自らの強みと弱みを把握・理解し、一人ひとりの強みを活かせる業務とマッチングさせることが目標です。

2030年に向けた人材マネジメントのサイクルイメージ
2030年に向けた人材マネジメントのサイクルイメージ

直感的にわかりやすいUIで、説明会なしで運用スタート

––カオナビの活用状況を教えてください。現在は主に評価運用でご使用いただいているとのことですが。

2023年度には、評価機能「スマートレビュー」で評価シートの作成を実施しました。カオナビでのマネジメント対象は市役所勤務の事務職500名なのですが、マネジメント対象ではない職員が混在する部署もあり、その点では苦労しつつも無事に設定を完了できました。2024年度の上半期から運用を開始しています。

実際に運用してみての所感としては、画面をスクロールして入力していくだけなので、操作がわかりやすくて楽ですね。そのため、管理者が使用する際にも、マニュアルを参照するだけで問題なく評価シートの作成ができました。
また、入力フローも簡単でわかりやすいため、評価者向けの説明会は開催しましたが、被評価者向けの説明会は不要と考えています。

––今後のさらなる活用イメージはありますか?
現在は評価運用を開始したばかりですので、今後システムを組織内で定着させることで、事務作業の工数削減につなげたいです。また、2023年度に実施した評価者向けの説明会では、「該当の被評価者を前任の評価者がどのように評価したか知りたい」といった声がありました。

これまでは、過去の評価基準や内容が蓄積されていなかったのですが、カオナビでは情報の蓄積や可視化ができるので、そういった活用方法にもチャレンジし、人事評価の質を向上させていきたいですね。

––「カオナビ」の導入によって、職員の方々からはどのような反応がありましたか?

「過去の評価履歴を活かした人事評価ができそう」「人材情報が一元化されることで部下の能力を把握できるため、管理職のマネジメント業務に役立てられそう」といった感想が早速寄せられています。

京丹後市役所には、旧6町が合併した名残りから、庁舎が各地に分散されており、職員同士があまりお互いの顔を把握していないというやや困った状況にありました。普段電話で話すことはあるものの、直接会ったことはなくお互いの顔は知らないといったケースが多かったのです。

カオナビの導入によって職員同士がお互いの顔を把握することで、信頼関係構築の後押しや、活発なコミュニケーション促進を実現できればとも思っています。

評価シートのイメージ
評価シートのイメージ

職員とともに活用方法を考え、人事DXを通じて新しい働き方を模索

––今後カオナビの運用が本格化していくと思いますが、どのように活用していきたいか展望を教えてください。

まずは、情報の一元化を推進し、集約する情報の幅を広げていきたいと思っています。現在は、各職員の基本情報と異動履歴などの人事業務で必要とされる情報のみに留まりますが、各職員のキャリア志向や趣味、自己PRなどの情報もカオナビに追加したいと考えています。

特に最近では、若手職員を中心にキャリアアップ志向が高まっています。業務希望をカオナビ内に載せることができれば、それに応じた人材配置を行うことで、職員の自律的なキャリア形成に役立つかもしれません。

––現場からカオナビ活用に対するニーズがあるのはうれしいですね。
また、カオナビを活用した新しい施策として、“人事ドラフト”を若手職員から提案されました。これは、各部署の所属長が欲しい人材の条件を提示し、条件に合致する業務希望を持った職員とその部署をマッチングさせる、という仕組みです。これにより、人材配置のミスマッチングを防げるだけでなく、希望する業務に就くチャンスが増えることで職員のモチベーション向上も期待されます。

この人事ドラフトについては、実現に向けて検討中ですが、まずは前段として、庁内インターン制度の設置を実現できればと思っています。

従来の人事異動では、意向調査で職員は業務希望を書くものの、全員の希望が通るわけではありません。よって、自身のキャリアに対して諦めの気持ちを抱いていたり、モチベーションが下がったりしている職員も中にはいるかもしれません。そのような状況を改善し、やりがいを持って仕事に取り組める仕組みを整えていきたいです。

今後も、職員と一緒にアイデアを考えながら、カオナビを効果的に活用することで、新しい働き方を模索していきます。

設立:
2004年4月
社員数:
1,059人(2024年4月1日時点)
  • ※インタビューの内容は取材時のものになります。

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