日本全国に140店舗以上を展開するロクシタングループ。進化するビジネス施策や人材育成方針に合わせ評価制度も常に更新されています。しかも職務に合わせ異なる評価内容を有するため、評価制度の運用を柔軟かつ円滑に行うことが課題となっていました。「スタッフから見ても分かりやすく、納得感のある評価運用を目指して試行錯誤を重ねている時に、『カオナビ』を上手に活用している企業の先行事例を読み、『カオナビ』によって課題解決につなげられるのではないかと考えた」。そう語るのは管理本部のご担当者T様。「カオナビ」はロクシタンジャポンの課題をどのように改善したのでしょうか?
「カオナビ」の導入背景
社員の「働きがい」を上げる、という課題
T様: ロクシタングループでは、ここ数年、社員の「働きがい」を上げていくことを重視しています。2年前に行ったGPTW(注:Great Place to WorkⓇの略。全世界で行われている「働きがい」に関する企業調査)を通して、取り組み次第ではまだまだ「働きがい」を改善できる余地があると分かったことがその背景にはあります。ちょうどその頃、スタッフからも「自分の仕事を適切に評価してほしい」という声が上がっていました。そこで、まずはショップスタッフに評価制度をきちんと理解してもらい、評価運用を定着させようと考えました。また、そもそもシステム自体が使いにくければ、評価制度もスムーズに運用できないだろうと思い「分かりやすく、使い勝手のいいシステム」を探していました。
ロクシタンの評価制度とは?
「ロクシタン」「メルヴィータ」と「本社」。それぞれに多様な評価制度に対応できる評価システムを求めていた
T様: 弊社ではそれぞれのブランドや役割に応じて適切な評価を行うことを意図して、ロクシタンのショップスタッフ、メルヴィータのショップスタッフ、本社のオフィススタッフで異なる評価制度を運用しています。ロクシタンのショップでは業績評価と行動評価、メルヴィータのショップでは業績評価、本社では業績評価とコンピテンシー評価と、それぞれ異なるスタイルで人事評価を行っています。また、オフィススタッフに関しては個人の能力開発の観点から、「IDP=Individual Development Plan」シートも運用しています。このようにそれぞれに多様な評価制度を用いることでブランドの成長段階やショップスタッフ、オフィススタッフといった役割に応じてスタッフを柔軟に評価しているんです。例えばロクシタンのショップスタッフを評価する場合、業績評価では、年間の売り上げや個人の販売目標を設定し、最終的にどれだけ達成できたか等を見ています。
そして、行動目標は、まず、ロクシタンのショップスタッフの共通人材像であるロクシタンの世界観を体現し、お互いを育み、すべての人と“楽しい”を創りつづける人材を基盤にしています。それを「フィールドリーダー」や「店長」などの役職ごとに「求める人材像」に落とし込み、更に詳細な定義を行っています。その上で「ビジネス」「人材育成」「ブランドの向上」「人事・職場環境」「店舗運営」といった5つの項目を設けて、その中で更に細かな評価内容を定めて評価していきます。例えば「フィールドリーダー」の場合、求める人材像を「担当エリアの『ブランド価値』・『業績』の向上および『人材育成』の責任をもつ」と定義し、「人材育成」の項目では「営業マネージャー・店長・人事と協働し、適材適所の人員配置を行っている」といったことを評価項目として用いています。ロクシタンのショップスタッフとして必要な態度や行動がとれているかを役職ごとに細かく評価しています。
このようにロクシタンはもちろん、メルヴィータと本社のスタッフも適切に評価するためにそれぞれ独自の評価制度を運用しています。そのためにはスタッフに評価制度の内容や運用方法を理解してもらう必要があります。そして、システムが使いにくければ進みません。だからこそ項目の表示のされ方や分かりやすさなど、使い勝手の良いツールが見つかれば、運用面での課題を解決できると考えていました。
「カオナビ」を選んだ理由
項目の変更・更新が簡単に行える自由度の高い人材マネジメントサービスを探していた
T様: 「カオナビ」を導入する前は、別の人材マネジメントサービスで評価運用を行っていました。しかし、そのサービスは、何か更新したい項目がある時に、連絡をとってサービス提供側に変更してもらう必要がありました。だから、サービスの質には信頼を寄せていた一方で、「もっと自由度の高いサービスはないか」と、項目の更新や変更も簡単に行える柔軟なサービスを探していたのです。
そんな時に、GPTWでも高い評価を得ているIT企業が「カオナビ」を導入していることを知りました。同社の「カオナビ」導入事例を読むと、記事の中で「カオナビ」を使って上手に評価運用していることが分かり「カオナビ」に興味を持ちました。また、大手企業様や同じリテール業界であるアパレル企業様の事例も参考になりました。
タブレット端末にも対応。充実した導入サポート体制も◎
T様: ショップ業務はオフィスでの仕事とは働く環境が異なるので、「カオナビ」を導入したところで上手くいくのだろうか、という不安はありました。しかし、同じ店舗型の業態である企業様の事例が参考になりましたし、導入までに「カオナビ」の営業担当者様と何度も打ち合わせを行ったことで実運用のイメージも湧き、安心して導入に踏み切ることができました。加えて、「カオナビ」はタブレット端末にも対応していたのでショップでも使いやすいだろうと思い、期待感が増しました。評価者の設定などを、入社や異動・昇格といったタイムリーな人の動きに合わせてショップ側でも変更できるのは魅力的でした。
更に、導入ディレクションサービスによってシステム構築やマニュアル作成を「カオナビ」の専任スタッフ様と協働することで、弊社の作業負担もずいぶんと軽減できました。そのためショップスタッフに対する評価制度の運用もスムーズに行えるだろうと思いました。
カオナビを使ってみて
大切な情報はコメント欄に入力。後任店長もショップ状況を把握
T様: 実際に「カオナビ」は柔軟性が高く、管理者が評価シートを自由にカスタマイズできるので必要な時にサッと項目の変更や削除もできて評価運用がスムーズになりました。
加えて、異動で評価者が変わっても評価情報を引き継いで共有できます。弊社では「カオナビ」の評価シートに、スタッフの育成状況、あるいは部下のキャリア希望などを店長が自由に記載できるフリーコメント欄を設けていて、異動があっても大切な情報を簡単に引き継げるようにしています。だからショップを引き継いだ後任の店長はショップ全体がどうなっているかを把握することが可能です。特に弊社では定期的に異動があることに加えて、女性スタッフも多く、産休に入る店長もいますので、異動があっても業務が滞りなく行えるよう機能を活用しています。その上でいずれは評価者の間で評価内容だけでなく、スタッフの育成状況が活発にシェアされることに期待しています。
「カオナビ」の効果
社員の「働きがい」向上に「カオナビ」も一役
T様: 実は、「カオナビ」を導入してからは評価の期限内運用率が大きく上昇しました。これは「カオナビ」やその他の様々な取り組みによって上司が部下の仕事をきちんと見て、話し合い、評価する文化が根付いてきたからなのだと思います。弊社は、「働きがい」を形作る要素のひとつに、社員一人ひとりがやっていることを正当に評価されて、適切なフィードバックを受けて自己成長につなげることがあると考えています。だから、その点では、「カオナビ」で評価運用が柔軟に行えるようになったことは上司と部下の間のコミュニケーション量が増えることにもつながったのだと思います。実際、今年のGPTWでは「上司からの成長につながるフィードバックや納得感のある評価が『働きがい』につながる」というコメントも増えています。「カオナビ」を含めた様々な取り組みによって社員は「働きがい」を感じてくれるようになっているのではないか、と感じています。
- 設立
- 1998年11月5日(ロクシタンジャポン)/2010年7月7日(メルヴィータジャポン)
- 資本金
- 1億円(ロクシタンジャポン)/5,000万円(メルヴィータジャポン)
- 従業員数
- 1190名(内、メルヴィータジャポンは150名/2017年4月現在)※アルバイト、派遣社員含む
- 事業内容
- ロクシタングループは、「ロクシタン」と「メルヴィータ」の2つのブランドの化粧品販売を行っています。「ロクシタン」は南仏プロヴァンスのライフスタイルを提案し、自然と伝統を敬い、製品を通してその素晴らしさを共有したいというフィロソフィのもと、事業を展開。一方、メルヴィータは自然由来・オーガニックならではの「香り」と「使い心地」にこだわり、自然の生命力というメッセージをこめた製品を展開。