課題
- 人事情報がバラバラに管理されていて、分析・利用が難しかった
- 目標管理シートや職務申告書を自由なタイミングで柔軟に運用したかった
活用法
- カオナビで人事の持つデータの大部分を一括管理
- 自力で目標シートをカオナビ上に再現。運用しながら微修正を加え、コスト削減
効果
- 一括管理で評価業務の手間を削減、外部出向者もカオナビでの管理が可能に
- 人財開発の部門への情報共有により人的資本経営への貢献が見込まれる
“Quality of Life(QOL)に貢献する最高の資産運用会社へ”という経営理念の元、さまざまな資産運用サービスを提供している三井住友DSアセットマネジメント様は、2021年からカオナビを導入しました。人事の持つあらゆる情報を一元管理することで、さらなる人財活用を目指しています。導入までの経緯と、課題解決について、人事部 人事戦略チーム 田原亮様と小林誠様に伺いました。
※本記事の掲載内容は全て取材時(2024年5月20日)現在の情報に基づいています。
システムのシンプルさと設計の自由度が採用の決め手
––そもそも、カオナビ導入の目的は何だったのでしょうか?
田原様:
最初の目的はデータの一括管理でした。人事の基本情報や勤怠管理データ、社員の保有資格、評価情報などがバラバラに管理されており、社員情報の分析・利用にはかなりの手間がかかっていました。
持っているデータを一括化することで、人財情報を検索しやすい・活用できる環境にしたいと考えていました。
――情報一元管理に向けてシステムを検討された時は、どのような点を重視されましたか?
小林様:
当初は、別のシステムを検討したのですが、機能に制限があって難しかったです。システムの設計が外部委託のみで自由に変更できなかったり、分析機能を追加するのに別途費用がかかったり、また月あたりのデータ取込回数には制限がある上、リアルタイム更新ではありませんでした。
自分たちがやりたかったことは、情報を一元化して柔軟に運用したい、ということがメインです。
また、人事制度の変更も検討している時期だったため、目標管理シートの内容を変更することも念頭にありました。自分たちでデザインして、項目も自由に変更できる柔軟性、操作性の良さを条件にシステムを再検討しました。
現在も直近の目的は情報の一元管理や目標設定・評価の運営ですが、その先には人員配置の検討にも使っていきたいと思っています。そこも含めてカオナビの機能が優れていると感じました。
自由に評価シートを設計でき、期中にも柔軟に調整可能
––評価機能「スマートレビュー」のシート設計は自社で完結できたとのことでした。
小林様:
そうですね。目標管理シートの設計や項目設定などは、自分たちの手で元々運用していたシートを再現しました。カオナビのサポートサイトを見たり、サポート担当さんにアドバイスをもらったりしつつ、自分たちの思うように設計できたのは良かったですね。
評価フローの段階に応じて、指定した社員以外には見せない、など閲覧・入力の権限設定も柔軟です。
以前のシステムでは最初に決めたかたちを期中に変更できませんでしたが、カオナビでは期中でもいつでも設定変更して調整改善ができるところも助かっています。
あとは評価結果の通知や、処遇改定通知もカオナビで完結できるところも便利ですね。
––そのほかに活用している機能があれば教えてください
田原様:
年1回の人事面談前に実施する職務申告書で、アンケート機能「ボイスノート」を使っています。「今の仕事のやりがいについて」「異動希望」「テレワークの利用状況」など多くの項目がありますが、簡単に回答を集められます。
さらに、人事面談の際には「ボイスノート」で集めた職務申告書の内容と社員データベース機能「プロファイルブック」の情報を紐づけて把握することで、人事面談をより効率的に実施できています。
小林様:
データグラフ機能「カスタムガジェット」の活用も検討を進めています。時間外労働の平均、有給休暇取得者、従業員の構成などのチャート作成や、計算式ガジェットを利用しての男性育休の日数計算なども試行中です。ゆくゆくは、ダッシュボード機能も活用しながら、管理職だけでも資格や社員のデータなどを可視化できるようにしていきたいと思っています。
かゆいところに手が届く便利さを実感
––運用をはじめてから実感した効果はありますか?
田原様:
やはり、人事内ですぐに必要なデータを確認できるようになった、という点が大きいですね。
それから、想定よりコスト面でメリットがありました。前述の目標管理シートについては、以前のシステムではフォーマット変更は外部委託でしたから、高コストになっていたでしょうね。期中の微修正、翌年度の設定変更などもありましたが、カオナビに移行したことで、コスト増を避けられました。
小林様:
人事内の資料だけでなく、他部署から求められるデータの提出もスムーズで簡単になりましたね。
たとえば「4月1日時点で、〇〇の資格を持っている人が何人いるか」という問い合わせがあった場合、旧システムではExcelに従業員情報を落としてさらにソートする必要がありましたが、カオナビでは見たい情報をすぐに見られます。そもそも、配下社員については、人事に問い合わせせずに確認できることも利便性につながりました。
––社員の皆さんからの反響はありましたか?
小林様:
他社へ出向している社員の評価入力については、社員本人からも出向先からも便利になったと高評価ですね。
当社には外部に出向している社員もいるのですが、基幹システムとExcelの2つのシートが使われており、外部出向した先で評価を受ける手順が複雑でした。今は外部からカオナビへの直接のアクセスは遮断していますが、スマートレビューやボイスノートの回答画面のみURLを送って回答を得ることができます。
スマートレビューの帳票機能も活用することで、入力した内容について出向先で評価を付けていただき、直接こちらの人事に返していただくフローとなり効率化につながっています。
さらなるデータ集約と共有範囲拡大で、活用の幅はもっと広がる
––カオナビを活用して今後注力したいことはありますか?
田原様:
メインの社員情報はカオナビに一括化できましたが、まだ集約できる情報があります。たとえば採用面接時のコメントなどは、集めておいて人となりを知る一助にしたい。中途入社で過去の情報蓄積がない社員も増えていますので、面談などにも活用できると思っています。
それから、データ一元化自体はできてきましたが、見せ方についてはまだ工夫していきたいです。人事内でも、部長や役員に対しても、もっと有効に可視化することができると思って、試行錯誤しているところです。部門ごとにどのような情報が必要なのかをヒアリングしながら、活用を促していきたいと思います。
- 設立:
- 1985年7月
- 社員数:
- 986人(2023年10月1日時点)
- 事業内容:
- 投資運用業など