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マナック株式会社

資料作成所要日数、7日が1日に。「紙→クラウド」システム移行の効果

2022.04.14
シンプルな人材情報管理
ペーパーレス化
人事評価の効率化
  1. 紙ベースの評価運用からの脱却に向け、システム化を検討開始
  2. 面談シートの「再現」を叶えるカスタマイズ性が決め手に
  3. 直感的な画面で導入スムーズ、自動保存でデータ消失の心配も不要
  4. 200人分の資料作成期間が7日から1日に激減
  5. データ収集だけでなく、公開範囲や出力様式も思いのまま
  6. ワークフローやアンケート機能で情報収集も効率的に
  7. データ活用に向けマトリクス・グラフ表示機能も使っていきたい

1948年設立と70年以上の歴史を持つ化学メーカーのマナック株式会社。広島県福山市を拠点に、難燃剤、医薬品原薬、電子材料など幅広い製品を製造しており、特にコロナ禍以降は、産学共同開発の抗菌・除菌剤が多様なシーンで活用されています。評価運用効率化を目指し、同社がカオナビを導入して約1年。どんな効果が現れているのか、主管部門となる企画管理本部管理部人事課の課長 古川泉様、課長補佐の田上由季様と、人事兼総務兼イノベーション推進室の森岡俊也様にお話を伺いました。

*本記事の掲載内容は全て取材時(2022年1月14日)現在の情報に基づいています

紙ベースの評価運用からの脱却に向け、システム化を検討開始

――2021年度にカオナビを導入される前は、どういった課題を抱えていたのですか。

田上様:
評価運用が紙ベースだったため、どの工程にも時間がかかっていました。

当社は複数拠点を構え、工場勤務の社員も多いため、評価シートの配布と回収だけでもかなりの時間を要します。さらに、評価期間の直後に控える人事評価会議に向け、評価結果をとりまとめてExcelに手入力し、間違いがないかダブルチェック……と、煩雑な作業を短期間で終えなければならないので、評価シーズンの人事課は残業必至。こうした評価運用だけでなく、評価データの保存先の一元化も含め、業務効率化は切実な課題でした

また、当社には兼務の社員が多いのですが、サブの業務についてもメイン業務の部署でまとめて評価をしていたため、考課の根拠が不明瞭と捉えられることもありました。兼務社員の適正な考課配分のためにもシステム化を検討すべきでは、という方針になったんです。

企画管理本部 管理部 人事課 課長補佐 田上由季様
企画管理本部 管理部 人事課 課長補佐 田上由季様

面談シートの「再現」を叶えるカスタマイズ性が決め手に

――システム検討の際は15社以上への資料請求、5~6社との商談と幅広く情報収集をされたとか。その中からカオナビを選んだ決め手にどこにあったのでしょうか。

森岡様:
PCに不慣れな社員でも「これなら使えそう」と思える画面構成や、サポートが充実している点もよかったのですが、最大の理由はカスタマイズ性の高さでした。

というのも、面談シートの記入箇所を「左側に評価項目、右側にコメント欄」というふうにレイアウトで記憶している社員が多いんです。そのため、「元の面談シートの構成をなるべくそのまま再現できる」ことを条件としていました。

他のシステムには「評価項目は右側にしか配置できない」などの制限があるものがほとんどだったんですが、カオナビは当社が従来使っていたExcelのフォーマットとほぼ同じレイアウトで面談シートを構築できます。また、計算式を自由かつ緻密に設定・作成できる機能も元の構成のまま再現しやすい要素のひとつで、大きな決め手となりました。

さらに、入力内容を任意のフォーマットで帳票出力できる点もポイントになりました。工場勤務の社員の中にはPCを貸与されていない者もいるので、彼らへの評価結果フィードバックは紙ベースで実施することになります。そのため、この機能は必須でした。

人事兼総務兼イノベーション推進室 森岡俊也様
人事兼総務兼イノベーション推進室 森岡俊也様

直感的な画面で導入スムーズ、自動保存でデータ消失の心配も不要

――2021年3月のカオナビ稼働と同時に、評価ワークフロー運用機能「スマートレビュー」の運用を開始されました。紙からの切り替えで戸惑いの声などはありませんでしたか。

森岡様:
運用開始直後こそ「これはどこに入力すればいいの?」と聞かれたものの、思っていたよりもスムーズに導入できました。比較的年長者の多い、マネージャーによる評価結果入力が導入直後最初のカオナビ作業だったんですが、どこを押せば何ができるかが直感的に分かる画面構成なので、想定よりも早く操作を習得してもらえたと思います。

古川様:
「評価作業がやりやすくなった」という声もよく聞きます。紙ベースの時代は、間違いや差し戻しがあった場合、評価者と人事課の間で資料の“往復”が発生し、面倒でしたが、カオナビなら提出期限まで何度でもデータを修正できますし、自動保存機能があるので「保存し忘れた!」ということもないので助かる、と好評です。

企画管理本部 管理部 人事課 課長 古川泉様
企画管理本部 管理部 人事課 課長 古川泉様

200人分の資料作成期間が7日から1日に激減

――スマートレビューの活用で、評価運用のどういった点が効率化されましたか。

田上様:
評価決定会議用の資料作成の時間が大幅に圧縮できました。5月支給分の給与から前年度の評価結果を反映させる都合上、3月末に評価の確定を管理職に依頼をしてから、評価結果をとりまとめて資料を作成し、会議にかけて評価を確定させるまで、わずか1カ月しかありません。社員200人分の評価結果をとりまとめるため、以前は紙やExcelで面談シートを回収してから資料作成完了まで約1週間かかっていましたが、今では評価結果が出そろってから1日弱で会議資料が作成できるようになりました

進捗管理も便利になりました。紙ベースの時代は、人事課では進捗状況を把握するすべがなかったのですが、システム化によって進捗管理画面で「対応/未対応」のステータスがひと目で分かるようになったので、リマインドやとりまとめ準備も含め、評価業務全般の管理が大分やりやすくなったと感じています。

評価運用機能「スマートレビュー」の進捗管理画面イメージ。被評価者を基軸に、各評価者の対応状況が一覧できる
評価運用機能「スマートレビュー」の進捗管理画面イメージ。被評価者を基軸に、各評価者の対応状況が一覧できる

データ収集だけでなく、公開範囲や出力様式も思いのまま

――一時期に業務量が集中するという課題もクリアになったんですね。データベース機能「プロファイルブック」はどう活用されていますか。

森岡様:
まずは生年月日や入社年、部署異動履歴、評価履歴といった情報を入力したあと、保有資格や研修履歴などの育成関連の情報も登録しました。

当社は化学メーカーという特性上、業務に必要な資格が多岐にわたる上、外部セミナーの受講や資格取得など、人事課の教育計画と紐付いていない自主的な自己研鑽の履歴もあります。管理する対象が多いのに、管理する媒体が紙とExcelで混在していて現状把握にも苦労していたので、基本的な情報に加えてこうした情報も一元管理の対象としました。

これらの情報もカオナビへの移行が終わり、人事情報の一元化はほぼ完了したので、カオナビを見れば、社員の基本的な情報は分かる状態になっています。

古川様:
整備した情報を配置検討や育成計画に生かすべく、集めた情報のうち、個人情報を含まないものを課長クラス以上に対して、配下の社員分のみ公開しています。

役員においては、取得資格や社員の経験値を見て配置検討などに活用。部課長クラスの社員は、新しく配属になった部下の異動履歴や取得資格・免許などを参照し、着任後の育成方針や業務分担などの検討に生かしているようです。

部課長クラスには配下の社員のみといったかたちで公開範囲を細かく設定できる点も、使い勝手がいいと感じますね。

田上様:
データの蓄積とは切り口が異なりますが、辞令の交付にもカオナビを使っています

以前は、表彰状のような特別な用紙に印刷し、社印が押されたものを上長が手渡ししていたんですが、カオナビ上で部署名や配属日が辞令風に表示される様式を用意し、「必要であればプロファイルブックの個人ページから印刷を」というスタイルに変えたんです。

「手抜きじゃないか」「書状を人事課が出すから意味があるんだ」といった意見もありましたが、「ペーパーレスや押印廃止という世の中の流れもあるので……」と説得して、実現に至りました。

データベース機能「プロファイルブック」から、あらかじめ設定した書式での帳票印刷が可能だ。書式にはExcelを利用するので、文字サイズや位置も自由度高く作り込むことができる
データベース機能「プロファイルブック」から、あらかじめ設定した書式での帳票印刷が可能だ。書式にはExcelを利用するので、文字サイズや位置も自由度高く作り込むことができる

ワークフローやアンケート機能で情報収集も効率的に

――評価運用以外についても、ペーパーレス化に向けて汎用申請機能「ワークフロー」も活用し始めたそうですね。

田上様:
ええ。紙ベースで実施していたもろもろの申請をワークフローに移行しました。フォーマットを自由に作れるので、住所や通勤経路、給与振込口座の変更や、育児・介護休暇、時短申請、その他、資格取得報告や人事が関与しないセミナー受講の記録など、システム申請化の対象となる情報は多岐にわたります

今後は自主的な資格取得やセミナー受講の記録も蓄積していけるので、「あの講座を受けたことがあるのなら、こんな仕事に活かせるだろう」といったふうに配置検討や育成計画の精度向上につなげられるのでは、と考えています。

古川様:
その他、一般社員に人事考課のフィードバックの有無をヒアリングするために、アンケート機能「ボイスノート」も使いました。

実は、評価運用においては「部下への評価フィードバックが徹底されていない」という課題もありました。「5月の給料が上がっていたから、去年の評価はよかったんだろう」と、事後・間接的に昇給・昇格の事実を把握している社員もいると聞き、現状把握をすることにしたんです。

上長を介さず、システム上で直接アンケートを回収できる仕様も奏功したのか、いくつかの部署でフィードバックが行われていないことが分かりました。質問票の作成、配布・回収がスムーズに進んだので、施策起案から時間を空けずに改善に向けた指導ができました

アンケート機能「ボイスノート」の質問票作成画面イメージ。項目や選択肢追加が手軽にでき、採番も自動で行われる
アンケート機能「ボイスノート」の質問票作成画面イメージ。項目や選択肢追加が手軽にでき、採番も自動で行われる

データ活用に向けマトリクス・グラフ表示機能も使っていきたい

――情報収集にもカオナビをフル活用いただいていますね。今後はどんな場面でカオナビを活用しようとお考えですか。

田上様:
グラフ作成機能「チャートボード」の活用を進めようと思っています。必要な場面で瞬時に社員の平均年齢や勤続年数の分布などが一覧できるので、今後、特にマネジメント層が会社の全体像の把握をする際に使えるのではと考えています。

人事課としても、決算資料や有価証券報告書作成に向け、他部署から社員数や平均年齢等の問い合わせがあったときに使えるよう、データを整備していこうかと考えています。

古川様:
配置検討の際、マトリクス表示機能「シャッフルフェイス」を活用できればと思っています。スキルや年次など、部署ごとの人材分布を視覚的に把握した上でシミュレーションもできるので、配置検討会議が捗るのではないかと期待しています

集めるデータを充実させれば、シャッフルフェイスの縦軸・横軸の種類が増え、より多面的な観点で配置検討が可能になると思います。まだそこまで多様なデータを集めきれていませんが、社員がスキルを生かせる人事の実践に向け、カオナビを活用してデータ収集、分析を進めていきたいと思います。

設立
1948年5月
資本金
3億円
社員数
198人
事業内容
化学薬品製造・販売
  • ※インタビューの内容は取材時のものになります。

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