株式会社ミュゼプラチナムは、使いにくい自社独自の人事評価システムをクラウド型人材マネジメントサービスに変えることで評価運用の効率化を目論んでいました。「そんな折にカオナビと出会った」と人事部人事企画課の畠中裕一様は言います。カオナビが同社の評価運用にもたらした劇的な変化とは一体何だったのでしょうか。
株式会社ミュゼプラチナムについて
「女性がずっと働ける会社」を掲げて
株式会社ミュゼプラチナム(以下、ミュゼプラチナム)は「女性の力」で成長してきた会社です。4000人近く在籍する従業員のうち、男性の数はわずか50人程度。そのため、福利厚生や人事制度も女性社員の「働きやすさ」を意識して作られてきました。時短勤務を制度化し、育産休の取得を促す以外にも独自の手当てを支給するなど、プラスアルファの試みを行っています。
畠中裕一様(以下、畠中様)「弊社はお客様も全て女性です。だから、働いている女性がまずは活き活きと輝いていること。 それが最高のサービスを提供する第一歩なのです。最近〈女性が活躍する会社〉とよく聞きますが、弊社では創業当時からそうでした。例えば子育て支援手当という制度を設け、一人目のお子さんが産まれた場合には毎月5000円を給与に加えます。二人目も同じ。三人目からは10000円へアップし、お子さんが18歳になるまで継続して支払うわけです。そうすることで、8時間の労働が時短勤務により6時間になったとしても、元の給与水準を維持できる形にしているのです」
「満足」を越えて「感動」を与える接客とは?
創業以来、ミュゼプラチナムが大切にしてきたのは、接客の質です。
畠中様「接客レベルは他社に負けないと自負しています。従業員にも営業のノウハウではなく、接客のトレーニングを積んでもらいます。絶対に押し売りはしない。過剰なノルマを課したりもしない。売り上げよりも、CS(顧客満足)アンケートでいかにしてお褒めの言葉をもらうかを意識して働いています。それが従業員の評価のベースになるのです」
同社には、〈 ミュゼベーシック〉という考え方があります。働く環境を整えることで従業員満足度が向上した結果、顧客満足度も上がる。つまり、 従業員とお客様双方の「満足」を「感動のレベル」にまで引き上げることで、業績アップに繋げるという考え方です。
畠中様 「売り上げばかりを見ていては顧客満足度も下がってしまいますし、厳しいノルマを課しては従業員のモチベーションも維持できません。接客にこだわりサービスの質を高めて「感動」を与えることで、自然と売り上げがついてくるというのが理想なのです」
カオナビの導入背景
内製の人事ツールでは「必要な時に閲覧できない」「使いにくくて回らない」弱点があった
ミュゼプラナチナムには「自社で使うシステムは全て内製化していく」という文化があります。人事評価システムも例外ではなく、「カオナビ」導入前は自社のエンジニアが開発したシステムを使っていたとのこと。でも、そこには幾つかの欠点があったそう。
畠中様 「エンジニアがいなければ動かしたい時に動かせない。見たい評価情報も必要な時に取り出せない。人事をはじめ、使いたい人が使いたいときに使えないと、 使い勝手があまりよくありませんでした。評価項目に記入してもらう際にも「使いにくさ」が先だって評価自体にネガティブなイメージを持たれてしまう。評価者に至っては「手間がかかるから」と後回しにしがちで、入力自体も忘れ去られてしまうなんてことも。そもそも人事評価の裏側がエンジニアに見られるのはどうなのかという問題もありましたね」
柔軟性に富んだストレスのない人材マネジメントサービスを求めて
そんな状況を変えるために評価制度が円滑に回る外部提供のサービスを見つけることが急務でした。畠中氏はいくつものセミナーへ足を運び、人材マネジメントサービスの説明を聞いたのだそう。
畠中様 「評価する側もされる側もストレスなく使えるもの。共有のしやすさやいつでも欲しい情報を取り出せるクラウド型のサービス。何より、われわれの評価制度を再現できる柔軟性に優れたもの。そんなサービスを探している中で、カオナビに出会いました。自由に項目をカスタマイズできて使い勝手のいいカオナビは、私たちがまさに探していたサービスだったのです」
また、使いやすさや自在性だけでなく、専任ディレクターが初期導入と運用定着をサポートする「導入ディレクションプラン」も魅力的だったとも。
畠中様 「導入してから一年間のサポートがついていることも決め手の一つでした。4000人を管理するシステムを一人で構築することに大きな不安があったので、基本的な部分を導入直後から丁寧にお手伝い頂けるのは安心でした」
現在は、「カオナビ」の評価機能について、主に本社のスタッフに限定して利用しています。運用の手ごたえを実感できたことで、店舗スタッフの評価にも広げる目途がつきつつあるそうです。
カオナビ導入の効果
カオナビの導入によって、評価フローが「見える化」!
そんなミュゼプラチナムの評価制度は、MBO(Management By Object)と行動評価を組み合わせたもの。MBOでは、会社が定めた目標と上司が期待することそれぞれに各社員がどのように感じ、実際に取り組むかを期初に定めて、それを評価していきます。一方、行動評価は「リサーチ」や「専門スキル・創造性」といった5項目にそれぞれ評価基準を設けています。この評価制度を半期に一度回しているのだそう。
畠中様「カオナビによって評価フローが大きく改善しました。たとえば弊社では社員が目標設定を終えた後に部門長との面談を設定していますが、カオナビ導入以前には『 誰がいつ入力を終えたか』がわかりにくく、この面談設定がスムーズに行えていませんでした。しかしカオナビ導入後は評価フローが『見える化』され、評価運用が驚くほど効率化しました」
上司と現場社員の間の信頼感を生み出すカオナビ
評価運用が効率化したことで思わぬ発見も。そのひとつが、評価する側の評価に対する心境の変化です。
畠中様「カオナビによって評価フローが『見える化』したことで、評価者が入力をしなかったり、手を抜いているとこちらに見えてしまうので、 迅速に、的確な評価を入力してくれるようになったのです」
そしてもうひとつが、評価される側の自身の評価に対する関心の高まり。それは社員一人ひとりの「働きがい」の向上にもつながっているのだとか。
畠中様「カオナビによって『 会社はきちんと評価しているんだ』ということが現場社員に伝わったようです。そのことで『誰かがちゃんと自分のことを見てくれている』という会社や上司に対する信頼感が増したのだと思います。社員一人ひとりの「働きがい」も向上したと思っています」
評価以外のカオナビ活用方法
店舗スタッフ一人ひとりの「顔と名前の一致」で人材管理が容易に
現在、ミュゼプラチナムのサロンは175店舗あります。階層分けはピラミッド構造になっていて、頂点に7人のブロック長、その下に50人ほどのマネージャーが配置され、さらに175店舗それぞれに店長がいるという具合です。すると一人のブロック長が20から30店舗を受け持ち、300から400人ほどの店舗スタッフを管理する仕組みになります。カオナビの導入はこの点でも効果を発揮し、人材管理が以前よりも格段に容易になったのだとか。
畠中様「とてもたくさんの店舗スタッフがいるので、誰が誰だかわからなくなることが正直多いんです。例えば、どこどこ店の店長と電話ではよく話をするけど、顔は知らないという具合に。それがカオナビのおかげで、誰と話しているのかわかるようになりました。また、店舗スタッフの入社歴や産休・育休取得の有無などを把握できるので、配置転換もしやすくなりました」
今後の使い方
評価システムを「カオナビ」に一本化。本格的な人材マネジメントで隠れた優秀人材を発掘
今後は本社スタッフと店舗スタッフの評価運用をカオナビに一元化して、さらに効率化していくつもりといいます。
畠中様「これまでは評価運用の定着を第一に考え、本社スタッフの評価を中心に使用してきました。でも店舗のスタッフの評価もカオナビで進めていく方が効率は良いんですね。それにデータをもっと蓄積して、本格的なタレントマネジメントを行っていきたいです。 評価とタレントマネジメントを通じて優秀なスタッフを発見していきたいですね」
- 設立
- 2012年
- 資本金
- 800万円
- 従業員数
- 約4000名
- 事業内容
- 美容脱毛専門サロン「ミュゼプラチナム」を運営。『歓喜共感』を経営理念とし、「徹底したお客様主義」の実現を目指して、お客様視点でのサービス、働く環境を常に考えた経営を行っている。