活用法
- カオナビを導入して人事情報を可視化
- 人事評価、自己申告書、健康管理などの個人情報をカオナビに集約
- パルスサーベイで従業員のコンディションを管理
効果
- 配置検討や育成において、データに基づいた検討を実現
- 人事評価や自己評価の集計作業にかかっていた工数を70%以上カット
- 社内コミュニケーションの活性化
永谷園ホールディングス様は、創業から70年以上にわたり飲食料品の開発・生産・物流・販売までさまざまなサービスを提供しており、お茶づけ海苔やあさげ、松茸の味お吸いものといった商品は広く知られています。
具体的なカオナビの活用方法や得られた効果について、管理本部 人事部 人事企画課 課長 長谷川 毅様、管理本部 人事部 人事企画課 川島 知也様にお話を伺いました。
※本記事の掲載内容は全て取材時(2025年1月20日)現在の情報に基づいています。
見たまま操作で思った通りの使用感を実現
──はじめにカオナビ導入の経緯についてお聞かせください。
長谷川様:
従来は人材情報が社内に散在している状況でした。そこで、情報を一元化することで、経営をはじめ、人事部や上長が意思決定や従業員のサポートを行う際の判断材料にしてほしいと考えたことが導入のきっかけです。
──数あるシステムの中から、カオナビを選んだ決め手を教えてください。
長谷川様:
直感的に操作できる点が魅力だと思います。カオナビのように、画面を開けば顔が見え、その中から人を選べば必要な情報が出てくるという導線のわかりやすさは、他システムにはなかなかありません。評価シートの作成もドラッグ&ドロップで操作できますし、一般ユーザーからしてもほぼ説明なしで使える点はメリットだと感じます。
川島様:
使いやすさゆえの再現性の高さもカオナビ特有です。何度かカオナビの勉強会に参加しているのですが、他社の活用事例で参考にしたいものがあった場合、すぐに持ち帰って自社の運用に合わせた再現ができます。
ヘルプページの活用事例も充実していますが、勉強会に参加すると設定のコツなど、生の声が聞けるのが良いですね。また、ユーザーコミュニティの「カオナビキャンパス」で質問をすると、カオナビの担当者からだけでなく、他社のユーザーさんから回答がいただけるんです。実際の運用や活用を踏まえたうえでの提案がいただけるのはありがたいです。質問すれば、迅速に回答がいただけるなど、手厚いサポートも助かっています。
──カオナビの導入を進める中で、特にどのようなサポートが役立ちましたか?
長谷川様:
最初に導入したのは評価ワークフロー機能「スマートレビュー」での人事評価でしたが、設計中わからない点が生じる度、すぐにカオナビの担当者と打ち合わせをして具体的なアドバイスや代替案の提案などをいただけました。
社内での検証後も運用が軌道に乗るまでフォローいただけて、すごく親切だった印象があります。ITに詳しいメンバーがいない中で設計・実装する必要がありましたが、充実したサポート体制は非常に心強かったです。
管理本部 人事部 人事企画課 課長 長谷川 毅様
人事データの管理作業を70%以上カット!一つのシステムで完結する理想的な運用
──さまざまな機能をご活用いただいていますが、まずは「スマートレビュー」の導入背景、活用方法について具体的に教えてください。
川島様:
人事評価と自己申告書作成に活用しています。以前は管理が煩雑でしたが、カオナビを導入したことで、データの配布・回収、進捗管理、集計にかかる工数を効率化できました。社内の人事情報を一つのシステムの中に集約するという、理想的な運用を実現できています
長谷川様:
健康診断の管理にも利用しています。受け取ったデータを手動で更新し、進捗を追い、未受診者にはメールを送る、といった作業を「スマートレビュー」で包括することで、大幅な工数削減を実現しました。
川島様:
人事情報のやり取りや管理には相当な時間を費やしてきましたが、現在はチェックリストの抜け漏れを確認しなくてもよくなりました。また、メール未送信の人を集めたリマインドリスト作成に割いていた時間も、一切不要となっています。そこから考えると、体感ではありますが、導入前の作業を100%だとして、70~80%くらいはカットできていると思います。
──ありがとうございます。次に、「パルスサーベイ」の導入背景、活用方法について教えてください。
川島様:
従業員の心の健康をサポートする目的で導入しました。社内でのフォロー体制を充実させるために、全従業員に向け2週間に1回実施しています。
長谷川様:
当社では年4回、1on1の機会を設けており、面談前にもサーベイ結果を確認するようにしています。以前より社員のコンディションを配慮しやすくなったと感じますね。
管理本部 人事部 人事企画課 川島 知也様
複数機能の活用で一般社員にも恩恵を
──その他にも活用されている機能があれば教えていただきたいです。
長谷川様:
アンケート機能「ボイスノート」は部門調査や社内アンケート、従業員満足度調査などに活用しています。また、カオナビから人事系システムにアクセスできる仕組みを構築するため、各種ツールや社内資料へのリンクを貼り、カオナビがシステムのハブとなるような使い方をしています。
川島様:
それから、「ダッシュボード」と性格診断機能「エニアグラム」の社内展開を予定しています。「ダッシュボード」で社員数、年齢構成、勤続年数など会社の基礎情報を、従業員が把握できる環境を構築したり、「エニアグラム」でコミュニケーションを促進したりできたら、と思っています。
──御社の積極的に情報を開示しようとする姿勢は素敵ですね。
長谷川様:
当社では、カオナビを「人事や管理職による教育や育成、配置におけるデータとしての活用」と「一般ユーザーによる活用」の2軸で効果的に運用したいと考えています。
後者の例として、資格情報を共有することで、他者の魅力や自分に足りない点への「気づき」を得たり、個々のモチベーションアップにつなげたりしてほしいという意図があります。そうしたツールとして、「エニアグラム」は最適です。
「エニアグラム」の診断タイプ一覧。質問に答えていくと各タイプに分類される
──各種機能をご活用いただいた結果、感じた効果や社内の反応はいかがでしたか。
長谷川様:
事務作業にかかる工数は70%以上削減された上、人事情報の集約という目標も達成されつつあると言えます。一方で、集約した情報の活用法については課題が残るため、その点をクリアできれば効果を最大限発揮できると思います。
また、社員の顔や名前、部署などが一致せず困るといった声が、中途入社者を中心にあがっていましたが、その点についてもカオナビを導入したことで解決できました。
川島様:
組織図機能「シナプスツリー」についても、上司やメンバー構成など部署の状況が即座に把握できることから、「一目で組織の状態がわかって助かる」という声が社員から届いています。
シナプスツリーの画面イメージ。部署の状況が一目でわかる
活用のコツは「完璧を求めずシンプルな機能からはじめる」こと
──カオナビを用いた今後の展望、担当者としての目標などあれば教えてください。
川島様:
引き続き社内情報を集め、幅広く展開できるプラットフォームとして活用していきたいです。アクセスすれば誰もが欲しい情報が得られ、データを活用した資料が手軽に作成できるなど、あらゆる情報が集約される媒体になってくれればと思います。
──カオナビ導入にあたって、初期設定や運用で苦労する方も多く、さらに活用の幅を広げるとなると、二の足を踏んでしまうというお話を耳にします。そうしたケースに向けて、アドバイスをいただけますでしょうか。
長谷川様:
当社の人事評価の複雑さから、「スマートレビュー」での評価シート導入はハードルが高かったです。ただ操作してみると、人事評価よりもシンプルなシートであればすぐに実装できそうな手応えがありました。
また、カオナビは機能を活用すれば効果が実感できるのも大きいです。例えば、カオナビ導入前は健康診断の受診率が低く、推進担当者には大きな負担となっていましたが、導入後は案内が手軽になり、受診率も上昇傾向にあります。はじめから完璧を求めず、シンプルなところから着手するのがコツです。
川島様:
「現時点でできることをやろう」というスタンスが大事だと考えます。カオナビは有用ですが、理想を求めすぎると机上の空論で終わります。まずはできることから運用を始め、余力が出てきたタイミングで活用の範囲を広げていくのがいいと思います。
また、最初は勇気がいるかもしれないですが、勉強会への参加もおすすめしたいです。他社の成功事例を聞くと具体的に活用できている状態や、やるべきことのイメージが湧くので、その後の設定も進めやすくなると思います。
- 設立:
- 1953年4月
- 従業員数:
- 2,546名(うちカオナビ利用従業員数は750名/2024年3月時点)