導入事例 SHOWCASE

人材マネジメントのノウハウを
豊富な他社事例から学べる。

日精株式会社

データを「使える情報」に変えていく。多角的カオナビ活用術

2024.11.15
課題
  • 目標管理と評価フィードバックが十分に機能していなかった
  • 残業時間の詳細把握にかかる工数が膨大で着手できていなかった
活用法
  • 新評価制度とフィードバックの仕組みをカオナビで運用
  • チェックリストとアンケートで評価の確実性を担保
  • カスタムCSVで残業管理、ダッシュボードでグラフを公開
効果
  • 評価面談の質の向上を実現
  • 残業時間と標準偏差をあわせて把握し、業務改善提案を可能に
  1. カオナビに情報を蓄積して評価面談の質向上
  2. 従業員にまつわる諸情報をカオナビで簡単に可視化
  3. 他社人事との交流が新たなアイデアとモチベーションにつながる
  4. カオナビはあくまで調理ツール。情報をどう生かすかにこだわりたい

機械式駐車場設備や凍結乾燥設備を中心に、産業機器の分野で高い技術力と歴史をもつメーカー商社の日精株式会社様は、2023年1月にカオナビを導入しました。評価の質を高めて人材育成を進めたいという目的での導入でしたが、それに留まらず、ほかに例を見ないさまざまな活用法を実現しています。
今回は同社の管理本部 総務部長 岩撫一人様、総務部 人事企画グループ 課長代理 白川智紀様にカオナビ活用の極意を伺いました。

※本記事の掲載内容は全て取材時(2024年8月28日)現在の情報に基づいています。

カオナビに情報を蓄積して評価面談の質向上

──はじめにカオナビ導入の経緯についてお聞かせください。

白川様:
従来はExcelで目標管理をしていましたが、査定のためのツール止まりになっており、上長のフィードバックも機能していませんでした。そこで、目標管理とともに、行動指針評価と行動役割評価の二つを軸にした新評価制度を導入。運用のためのツールとしてカオナビ導入を決めました。

岩撫様:
カオナビの評価ワークフロー機能「スマートレビュー」によって、立てた目標を本人も上司もいつでも確認できるし、フィードバック面談の結果を記録することで、正しく面談が行われているかもチェックできます。また、面談後には、面談の内容に関するアンケートを実名で回答してもらっています。
カオナビは面談内容の備忘録・チェックリストにもなっていて、面談の確実性担保に寄与しています。結果として、目標だった評価面談の質の向上が叶いました。

白川様:
それまで人事労務で使っていたシステムは、人事しか見る機会がなかったのですが、新評価制度では従業員全員がシステムを活用することになります。ですから、「従業員も人事も使いやすく、わかりやすいインターフェイス」と「権限設定とカスタマイズの自由度が高いこと」が重要でした。他システムと比較した結果、カオナビが最適だと判断しました。

管理本部 総務部長 岩撫一人様
管理本部 総務部長 岩撫一人様

従業員にまつわる諸情報をカオナビで簡単に可視化

──社内外への情報開示にもカオナビを活用されているとのことでしたが、具体的に教えていただけますか?

白川様:
人的資本情報の開示の一環として、社内外への情報公開にダッシュボード機能とグラフ作成機能「カスタムガジェット」を使っています。平均年齢や勤続年数、有給取得率などの基本情報が中心ですね。取引先から求められる当社の調査票に使ったり、求人サイトに掲載したりと、こうした情報は使用用途が広いので、カオナビでパッと情報を見られるのはありがたいです。

それから、社外の方に驚かれる開示情報として、全従業員の平均年収の中央値があります。
上層部としては、当社の平均給与は高い水準にあると思っているのですが、それを知らずに働いている従業員もいます。わかりやすく可視化することで、若手からすると、将来的な給与に期待ができてモチベーションにつながっています。

人事や経営層で異動や昇格を検討する際にも、条件ごとにグラフで可視化したり、マトリクス機能「シャッフルフェイス」で評価と総報酬額を組み込んだマトリクス図を作成したりと、総じて有用な資料を手軽に出せるようになったと実感しています。

──残業時間の把握にもカオナビを活用していらっしゃるそうですね。

白川様:
ほかのシステムで管理している勤怠データを、データ整形の工数を削減できる機能「カスタムCSV」を活用してカオナビに取り込んでいます。平均残業時間をグラフ化し、そこへExcelで計算した標準偏差を追加してダッシュボードで社内公開。また、部署ごとの月別推移や内訳のほか、管理職であれば個人ごとの詳細もチェックできるようにしています。

以前から残業の詳細把握はしたかったのですが、旧システムでは手間がかかりすぎて取り組めなかったところを、カオナビのカスタムCSVがリリースされて、大幅工数削減が見込めたため実現できました。

仕事におけるメンタルダメージは、平均残業時間が多いことよりも、繁閑の差が激しいほうが要員になりやすいと言われています。ですから、平均残業時間が多くないのに標準偏差が大きい従業員がいた場合は、先回りしてサポートをする。反対に平均残業時間が多くて標準偏差が小さい従業員は、残業時間が年間を通じて固定化している可能性があり、残業が習慣化していないか、人手が足りていないか、など業務見直しの材料にもなります。

平均残業時間と標準偏差の図(イメージ)。同様の図をダッシュボードで公開している
平均残業時間と標準偏差の図(イメージ)。同様の図をダッシュボードで公開している

他社人事との交流が新たなアイデアとモチベーションにつながる

──いろいろなことにカオナビを使っていただいているんですね。

岩撫様:
導入当初、カオナビは人事と役員だけが見るツールでした。そこから、組織図機能「シナプスツリー」を公開し、社員データベース機能「プロファイルブック」の情報を増やして顔が見えるようにして、趣味チェックリストを載せたり、社員情報ソート機能「シートガレージ」を応用して電話帳として使えるようにしたり、ちょっとしたアンケートをアンケート機能「ボイスノート」でとったりと、従業員のタッチポイントをいろいろな方法・角度で増やしていきました。今では、全従業員のうち1/3の人数が毎日ログインするほどになりました。

オープンにすべきものがオープンになって、活用の幅も増え、導入効果も上がってきました。それは、数字に見える効果だけではなく、従業員のエンゲージメントが上がるとか、顔が見えて親近感があるとか、そういった定性的なメリットも含んでいます。

白川様:
カオナビの機能活用が広がっている背景には、カオナビのユーザーコミュニティの存在も大きいと思っています。
人事担当は利益を生む部門ではないし、やるべきことがスムーズにできて当たり前と思われがちです。そのような中で、カオナビのユーザーコミュニティで開発部門の人の話を聞いたり、ユーザー交流会「もくもくラウンジ」で他社さんの活用例を聞いたりできるのは、新しいアイデアにもつながりますし、私自身のモチベーションにもなっています。結果として、社外で得られたノウハウを社内に還元するなど、良い循環を実現できていると感じますね。

総務部 人事企画グループ 課長代理 白川智紀様
総務部 人事企画グループ 課長代理 白川智紀様

カオナビはあくまで調理ツール。情報をどう生かすかにこだわりたい

──今後はどんなことを考えていらっしゃいますか?

岩撫様:
昨年から、当社を含む日精ホールディングス全体でカオナビを導入しています。今後は、管理系の人材やコア人材の積極交流を皮切りにグループ内での人的交流を進め、グループ横断のデータベースとしてや、人員の適切配置検討にカオナビを活用していきたいと考えています。

白川様:
カオナビ担当としては、蓄積されていく情報をどう活用するかが大事です。飲食店に例えれば、情報は食材、従業員はお客様、人事の役割は料理人です。そこに調理ツールとしてカオナビがある。食材とツールをどう工夫して、一人ひとり求めるものが違うお客様たちに満足してもらえる料理を提供できるか。そこが料理人の腕の見せどころではないでしょうか。

求められるものに応えるだけでなく、違う視点で隠し味を効かせて、今までにないようなプラスアルファの情報活用ができればいいと、日々考えています。

設立:
1953年12月
社員数:
343名(2024年9月末日時点)
  • ※インタビューの内容は取材時のものになります。

資料も無料体験も、
ぜひお試しください

お電話でも、お問い合わせいただけます

その他のお問い合わせ