プレミアグループ株式会社は、2007年の創業時から現在まで、経営陣が自ら現場社員と積極的にコミュニケーションを取ることで全社員の個性や意欲、意向を把握し、業績のみによらない評価と人事を行ってきました。「しかし、社員数が200人を超えた頃から、記憶と既存ツールでは管理に限界を感じていました」と語るのは、同社取締役 常務執行役員の大貫 徹様。プレミアグループ社が「カオナビ」導入によって期待したこととは?
プレミアグループ株式会社について
「人」を大切にした事業戦略でオートクレジット市場を勝ち抜く
プレミアグループ株式会社(以下、プレミアグループ)では、売上も契約件数もゼロだった2007年の創業時の段階で、現在も本社とする340坪の東京・六本木オフィスを契約しました。その理由は、「人」を大切に事業展開することによって、オートクレジット市場で勝ち抜ける「確信」があったからだそう。
大貫 徹様(以下、大貫様): 「今にしてみれば大胆にも程がありますが、2007年当時、オートクレジットを展開する各信販会社は貸金業での損失により弱体化していました。利息制限法の上限を超える年利のローンには過払金返還請求が起こり、加えて翌年にはリーマンショック。競合各社は事業効率化のため加盟店へのルート営業を削減し、センター対応に収束する流れがあったのです。しかし、オートクレジット事業は、自動車販売店に営業マンが足繁く通い、信頼を得てオーダーをいただくのが本筋。当社では愚直に営業マンが自動車販売店を回って信頼を勝ち取ることで、加盟店を拡大していきました」
育てたいのは「成長を目指して一生懸命に頑張る、気持ちのいい社員」
「人」を主軸に置いた事業であるからこそ、大切にしたのは「組織風土」。それは「常に前向きに一生懸命プロセスを積み上げることができる心豊かな人財を育成します」という会社のミッションにもあらわれています。さらに、企業として求める社員の資質を「強い」「明るい」「優しい」と明快な言葉で規定し、これを「バリュー」という全社統一の価値観にしたそう。
大貫様: 「平たく言えば『成長を目指して一生懸命に頑張る、気持ちのいい社員』ですね。加盟店様にとってはその営業担当の印象こそが当社の印象ですし、組織の成長を考えたとき、そういう人と私たちは一緒に働きたいと真剣に考えています。だからこそ、人事考課における評価でも、業績以上にバリューの体現を重んじ、たとえ結果としての業績が悪くとも、周囲にいい影響を与え、きちんとプロセスを積み上げて一生懸命取り組んでいれば最大限評価しています」
「カオナビ」の導入背景
経営陣が全社員とコミュニケーションを取る文化を守りたい
社長をはじめとする経営陣が全社員をくまなく把握すること。それこそが同社の強みと考える一方、事業成長に伴い社員数は200名を突破。社員の「顔と名前」を完全に記憶しておくことも、社員情報をエクセルなどの既存ツールで管理することも難しくなっていました。
大貫様: 「人材管理システムを検討するにあたり、『社長が現場のリーダー(部門長)と同じレベルで社員情報を把握できるシステム』として部下が提案してくれたのが『カオナビ』でした。初期費用もかからない上に、月々のコストもトライしやすい価格設定だったため、『まずはやってみよう』という気持ちで導入しました」
大企業の導入実績でセキュリティも信頼できた
「カオナビ」の導入には、社員の顔写真をはじめとする個人情報を収集し、クラウド上で管理することが必要となります。この点に関しては社内でも議論があったそうです。結果、利便性と安全性について問題がないと確信。導入したところ、同社の人材管理に上手くフィットしたと言います。
大貫様: 「いまや銀行でさえ基幹システムをクラウドで管理する時代。並みいる大企業がカオナビを活用しており、安全性は信頼に値すると感じ、むしろ当社のセキュリティ規定を時代に見合ったものにアップデートしました。そして導入後は、支店に向かう新幹線など、外出先で経営陣がiPadを使って『カオナビ』を閲覧しています。直近の社員情報をインプットしておくことで、支店の社員とも活発にコミュニケーションを取れるんですね。普段なかなか顔を合わせられないからこそ、コミュニケーションする機会を大事にしています。こういった時間を有意義にするために移動等の合間を使って準備することができる点にもクラウドならではの利便性を感じています」
「カオナビ」導入の効果
社員情報を「カオナビ」で一元管理、社員の「本音」に応える
プレミアグループでは年に1回、「自己申告」の提出を全社員に義務づけています。そこで集めた社員の本音や働き方への志向性などの情報は全てPROFILE BOOKに入力し、「カオナビ」で一元管理しているそう。そしてその情報は経営陣と人事部門長のみが閲覧できるようにしていると言います。その理由とは?
大貫様: 「まず役員と人事部門長に限定している理由は、この情報をいわば『目安箱』的に使いたいからです。直属の上司には言いにくい『本当にやりたいこと』やなかなか言えない“本音”を経営陣や人事部門に伝えられるようにしているんですね。また、望まない人事を避けるためでもあります。例えば人材配置で転勤が必要な場合、あらかじめ家族の介護などで転勤しにくい社員の情報を入れておくことで、考慮することができます。エクセルで管理していた頃に比べて、『カオナビ』では漏れなく管理できて便利になりましたよ」
次年度の組織体制を決める「役員合宿」も「カオナビ」を見ながら行う
また、プレミアグループでは、毎年、役員だけが参加する「役員合宿」を実施。新しい人事体制もこの合宿で議論するそう。
大貫様: 「社内の会議室にこもってしまうと、目先の現実的な問題ばかりを検討してしまいます。会社が成長していくためのビッグピクチャーを描くには、オフサイトでプレミアグループの未来をつくる場が必要なのです。役員合宿では、事業計画の骨子を話し合うことはもちろん、それを実現させるために『具体的にどんな体制とするか』『どんな抜擢人事を行うか』といったことも語り合います。それに、もともと経営陣が社員一人ひとりと積極的にコミュニケーションを取る文化があります。『カオナビ』で社員の顔を見ることで全員がこれまで共有してきた内容を含めて一気に同じ認識で話し合えるんですよ。『彼、こんなこと言っていたな』『こんな社員いなかったか?』と、その場で『カオナビ』を見ながら議論できることで配置・抜擢を決めるスピードが格段に違うことは実感できています」
研修・資格情報の管理も「カオナビ」で効率化
さらに、「カオナビ」の導入による社員情報の一元管理によって、同社の研修制度や資格取得者の管理にも効果を発揮しているそう。
大貫様: 「オートクレジット事業を行っているため、担当社員には金融系の資格取得を奨めています。資格保有者のピックアップも、エクセル管理時代に比べ、『カオナビ』なら一発で検索できます。以前は資格の更新時期もチェック漏れの危険性が高かったのですが、それも容易に管理できるようになりました。また、当社では『合宿研修』の文化があり、価値観『バリュー』を浸透させるための合宿や海外研修のほか、時々の目的に応じて部門と年代の壁を越えた参加者で合宿研修を行うことがあります。研修内容の検討や参加者のピックアップにおいても、以前に誰が何の研修を受けているか『カオナビ』に記録しているので、検討が容易に進みます」
今後の「カオナビ」の使い方
生産性向上と働きやすさの実現にも役立てたい
プレミアグループでは、現在、さらなる事業拡大を目指す一方、有給休暇消化率の向上や残業時間削減など、働きやすさの実現も進めています。今後はこの部分にも、もっと「カオナビ」を活用していきたいそうです。
大貫様: 「福利厚生の情報など、いまもエクセルで管理している情報についても可能なところは『カオナビ』に組み込み、一元管理していきたいですね。弊社はオートクレジット・ワランティ市場における国内シェアの拡大、そのための周辺事業の整備、海外事業の拡大を目指しており、今後も社員数は増えていきます。『カオナビ』によって経営陣が社員や組織の状況を把握し、対策を打つことで生産性の向上にも確かにつながっていると感じるので、この部分にもさらに『カオナビ』を活用していきたいですね」
- 設立
- 2007年
- 資本金および資本準備金
- 193,348千円
- 従業員数
- 321名(連結)
- 事業内容
- オートクレジット(自動車ローン)事業、自動車の修理対応を保証するワランティ事業を中心に展開。ディーラー等の加盟店へのフットワークを活かした対面営業を重視し、国内でのシェアを拡大。また、タイ、インドネシアにも進出し、海外事業の拡大を図っている。2017年12月、東証2部上場を達成。