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四国化成工業株式会社

「それ、カオナビで集めたら?」老舗化学メーカーを支える人材情報の“母艦”

2022.10.12
シンプルな人材情報管理
ペーパーレス化
人事評価の効率化
人材情報の共有
  1. 社員が急病!なのに、家族の連絡先がどこにあるのか分からない……
  2. 従来の評価シートをそのまま再現。紙からの移行もスムーズ
  3. “全情報”を網羅したマスターデータベースとして活用。配置検討に向けた現状把握も
  4. 人事担当から役員まで、高い操作性で誰もがいつでも活用できる
  5. お弁当注文から新規事業の企画出しまで アンケート機能が大活躍
  6. “一時退避ボックス”を活用し異動後の組織図づくりも簡単に
  7. 詳細な権限設定でセンシティブな個人情報も安心して管理できる

香川県丸亀市に本社を置く四国化成工業株式会社は、タイヤ製造に欠かせないゴム加硫剤などを手がける化学品メーカー。プールの消毒に使われる塩素化イソシアヌル酸を初めて国産化した企業で、近年は住宅用の門扉やフェンスなどの建材事業でも洗練されたデザインと品質が高く評価されています。同社の企画事業推進本部総務人事部人事課長の北川龍一郎様と、主に人事を担当する同課の古川達也様、労務・給与を担当する山本祐加様に、カオナビ導入の経緯と活用状況、効果について聞きました。

*本記事の掲載内容は全て取材時(2022年7月15日)現在の情報に基づいています

社員が急病!なのに、家族の連絡先がどこにあるのか分からない……

――カオナビを利用されて4年目とのこと。まだ「タレントマネジメント」という概念が今ほど知られていない頃に導入されたんですね。

北川様:
ええ。導入のきっかけは、勤務中に急病になった社員の家族の連絡先を探し出すのに手間取ったことでした。当時、人事情報は入社時に作成した紙の原簿にまとめて人事課のロッカーに施錠保管していたので、探し出すのに時間がかかる上、そもそも人事課員が不在にしていると対応できない状態だったんです。

一方、人事評価についてもA3の紙に両面印刷した手書きの評価シートで運用しており、紙ベースの運用に限界を感じていたタイミングでもありました。評価シートは期初の目標設定と中間評価、期末評価で年3回、各部署に郵送し記入後に戻してもらうしくみで、その都度東北から九州、海外にも展開する拠点と部署ごとに発送していたんです。

郵送から回収までのプロセスで紛失が出ることもあるので、バックアップとして毎回全資料を人事課でスキャンしていたり、Excel管理している評点や昇給の反映も資料を見ながら手入力していたりと、工程ごとに単純作業に忙殺され、いつミスが出てもおかしくない状況にありました。また、多い人では50人の部下を持つ管理職もいたので、評価シートを手書きする各現場の負担も重くなっていました。

古川様:
加えて、「社員データの最新化」というニーズもありました。当社では周年ごとに全社員の顔写真付きの自己紹介冊子を作成していましたが、発行スパンは短くても5年ごとで、10年の間が空くこともありました。これだけ長く間が空くと人の外見は変わってしまいますし、その間に入社した人の情報は追加できません。手軽に更新できる全従業員の顔写真データベースが欲しいとも考えていたんです。

企画事業推進本部 総務人事部 人事課長 北川龍一郎様
企画事業推進本部 総務人事部 人事課長 北川龍一郎様

従来の評価シートをそのまま再現。紙からの移行もスムーズ

――人材情報の管理と評価運用が主な課題だったんですね。どのように導入を進めていきましたか。

古川様:
Excelでの運用も考えましたが、評価の承認プロセスの見える化まではできません。せっかく運用手法を見直すなら、やはり評価運用プロセスも含めて管理できる専用ツール導入が必要だろうと判断しました。カオナビは操作が簡単そうなところから興味を持って調べてみたところ、評価運用のデジタル化や顔写真も含めたデータベースが作れるとのこと。さらに、顔写真をドラッグして人員配置のシミュレーションができるマトリクス表示機能「シャッフルフェイス」がとても魅力的に感じて、他社製品は検討せずに決めてしまいましたね。

北川様:
2018年9月に導入して、翌年2019年の4月から早速、評価ワークフロー機能「スマートレビュー」の全社運用を始めました。それまでの紙の評価シートの内容をほぼ同じレイアウトで再現できたので、どこに何を記入するかが分かりやすく、想定していたよりスムーズに移行できました。

評価運用サイクルも4周目をかぞえ、カオナビでの評価運用に皆が慣れてきたこともあり、最近は自己研鑽に関する項目も新設し、取得を目指している資格や、それを生かせる配属先の希望について記入してもらっています。こうした情報は上長との面談でも活用され、モチベーションの向上にも役立っているようです。

企画事業推進本部 総務人事部 人事課 古川達也様
企画事業推進本部 総務人事部 人事課 古川達也様

“全情報”を網羅したマスターデータベースとして活用。配置検討に向けた現状把握も

――評価運用は効率化以上の効果が出ているんですね。社員情報の一元化はどう進められましたか。

北川様:
社員の情報はほぼ全て、人材データベース機能「プロファイルブック」に集約し終えていて、マスターデーターベースとして活用しています。CSVでのデータの入出力がやりやすいので、他システムで管理しているデータをダウンロードしてきて、カオナビに取り込みました。全社員に公表しているのは趣味程度ですが、学歴、生年月日、入社年月日、住所、緊急連絡先や家族と扶養の情報といった基本的な情報は網羅しています。また、厚生年金や健保などの社保情報、研修の履歴、評価結果の履歴、前職や異動歴、保有資格のほか、社内部活の所属情報など、かなり詳細な内容を保存できています。さながら人材情報の「母艦」といったところですね。

山本様:
私の担当業務は人事というより労務・給与領域なんですが、カオナビにアクセスしない日はないぐらいですね。例えば、工場の認可登録に必要な有資格者の検索、内線番号の確認、会社から活動費の補助が出る部活動のメンバーや人数の確認などにも使います。また、勤務時間に体調が悪くなって病院を受診しようとする人から「健康保険証が手元にないので、保険証番号を教えてほしい」という問い合わせを受けることも。日々発生するこうした問い合わせにも、プロファイルブックにアクセスすれば一発で対応できるので、フル活用しています。

北川様:
社員の情報をほぼ全て入力できたので、横軸に部署名、縦軸に年齢や役職を置いて、シャッフルフェイスで各部署の管理職比率や年齢構成といった現状把握をしています。配属や育成計画の検討には、まず「今、組織がどうなっているか」を客観的につかんでおく必要がありますからね。実際の配属検討の際は、子どもの年齢が働き方に影響することもあるので、プロファイルブックで家族の情報も確認しています。

また、異動の希望はアンケート機能「ボイスノート」で提出してもらっています。希望に加えて、そのために取り組むべき資格取得の目標や実績も記入してもらい、人事で集約して役員に提出しています。

企画事業推進本部 総務人事部 人事課 山本祐加様
企画事業推進本部 総務人事部 人事課 山本祐加様

人事担当から役員まで、高い操作性で誰もがいつでも活用できる

――人事評価運用をカオナビに移行したことで、どのような効果がありましたか。

古川様:
「作業」的な業務から開放され、企画・戦略寄りの仕事に集中できるようになりました。目標設定や評価のたびに、評価シートを部署ごとに分けて発送し、進捗確認し、回収し、それをスキャンして、期の最後にExcelに入力し直すという一連の作業工程が丸ごとなくなりましたから。これまでは、評価シートの発送後に電話が鳴ると「誰か紛失したんじゃないか……!?」とビクビクしていましたが(笑)、心穏やかに過ごせるようになりました。また、カオナビには自動バックアップの機能があるので、入力時に情報が消えてしまうような怖さがないのも安心です。

社員情報の問い合わせは経営層からもよく寄せられていたのですが、最近は自身でカオナビをチェックしてくれるようになりました。

北川様:
年度初めに資格給や給与額を通知する辞令書も、紙での配布を廃止してカオナビにPDFをアップロードするかたちに変更しました。配布や郵送の作業がなくなった上、辞令書をすべて保管していたという社員からも手間が省けて便利になったと好評です。

山本様:
どの機能も直感的に使えるので、情報や設定の修正や変更の必要が生じたときでもストレスなくサッと終えられますね。私は人事課に配属されて日が浅いのですが、カオナビは操作に迷うことなく、スムーズに使い始めることができました。

データベース機能「プロファイルブック」のイメージ。どこを押せば何が見られるかが想像しやすく、ユーザーの年齢層やITリテラシーを問わないインターフェースが特徴だ
データベース機能「プロファイルブック」のイメージ。どこを押せば何が見られるかが想像しやすく、ユーザーの年齢層やITリテラシーを問わないインターフェースが特徴だ

お弁当注文から新規事業の企画出しまで アンケート機能が大活躍

――人事関連の業務以外でも、カオナビを活用しているそうですね。

古川様:
社内全体の利用頻度で言うとアンケート機能「ボイスノート」が圧倒的で、あらゆる部署で日常的に使われています。当社では社内で情報収集や意見集約をすることが多いので、アンケートを作って配信する権限は多くの部署に開放しているんです。

例えば、経営企画部門では長期経営ビジョンの社員浸透度調査や新規事業のアイデア募集に、労働組合では労働者代表を決める際の信任投票に使っていましたし、地域貢献の一環として進めている地元の香川大学との共同研究にも活用しています。最近では、学生さんが学会で発表する論文作成に必要なアンケート調査やアイデア募集に利用されていました。

北川様:
人事課では、前述した異動希望のほか匿名で回答できる機能も重宝しています。コロナ禍を背景に、「“ワクハラ”にならないように、ワクチンの接種状況を把握したい」と経営層から要望があり、2020年の夏から半年ほど、月次の調査に活用しました。パワーハラスメントの実態調査も行い、被害が大きくならないうちに適切な対処ができました。こうしたアンケートは顕名では実施しにくい、あるいはほとんど意味を為さないので、かなり助かりました。

山本様:
あとは、お昼のお弁当の注文とりまとめもボイスノートで集約しています。それまでは各部署の担当者が注文を聞いて回ってExcelで一覧にし、それを人事で集約して業者に注文しており、1日50人以上の注文があるのでかなり大変だったんです。カオナビを導入してからは、締め切り時の結果のグラフを見ればメニューの注文数が分かりますから、集計の必要がなく非常に重宝しています。

北川様:
今でこそ、こうしてさまざまな部署で活用されていますが、ボイスノートを使い始めた当初は配信してもあまり反応がありませんでした。そこで、持株会社化や処遇に関する説明会など、欠席すると社員自身が困るような重要なイベントの日程調整を配信するようにしたところ、カオナビを確認する習慣が根付いたようです。今は特に督促しなくても、毎回6~7割程度の回答率を維持できています。

活用方法もずいぶん多様化し、社員からなにか募るシーンでは「それ、カオナビで集めればいいんじゃない?」とすぐに思いつくほど、情報収集ツールとしても浸透しています。

アンケート機能「ボイスノート」では、テキスト、プルダウンといった基本的な項目からファイル添付フォームまでさまざまな回答項目が設定できる
アンケート機能「ボイスノート」では、テキスト、プルダウンといった基本的な項目からファイル添付フォームまでさまざまな回答項目が設定できる

“一時退避ボックス”を活用し異動後の組織図づくりも簡単に

――確かに、社員から情報を集めるときはボイスノートが便利ですよね。ほかの機能もご活用いただいているとお聞きしています。

北川様:
一時期はSPI3をカオナビで受けられる「コネクトキューブ」機能も活用していました。全従業員の受検データを入力したので、適性ごとの分布マップを見て部署ごとの傾向を把握したり、採用で補うべき人物像を描いたりしたりと、採用の方針検討の際、参考にしています。

古川様:
近年は人材の適性分析やそれに基づく人材戦略の重要性が増してきています。そのため、今後はSPIだけでなくさまざまな指標を取り入れながら、人材ポートフォリオの充実を図っていきたいと思っています。

北川様:
組織図機能「シナプスツリー」も活用しています。カオナビを導入する前はExcelで作成していたので、人事異動の検討も兼ねて編集する作業が大変で……。シナプスツリーのシミュレーション機能には、異動対象者を移しておける「テンポラリーボックス」があるので誤操作もなくなり、格段にラクになりました。

このほか、今もExcelで作成している経営層に提出する社員一覧表や、管理職だけを表示した掲示用の組織図についても、顔写真つきのシナプスツリーと突き合わせてチェックできるので作業ミスがなくなりました。

組織図機能「シナプスツリー」のシミュレーション機能のイメージ。既存の部署とは別の「Temporary BOX」に異動候補者などを分けておくことができる
組織図機能「シナプスツリー」のシミュレーション機能のイメージ。既存の部署とは別の「Temporary BOX」に異動候補者などを分けておくことができる

詳細な権限設定でセンシティブな個人情報も安心して管理できる

――カオナビを活用して、今後どのようなことを実現していきたいですか。

北川様:
入力する情報や種類をもっと充実させていきたいですね。例えば、内線番号と趣味程度に限定している全社公開情報について、今後は徐々に種類を増やしていくことで、部署を横断したコミュニケーションの活性化につなげていければと思います。

また、従業員一人ひとりのセンシティブな情報を扱うことにはこれまで腰が引けがちでしたが、探しにくい場所にしまい込んでしまっては適切なケアができなくなってしまいます。カオナビは、これは役員と上長に見せる、これは本人と人事のみ……などと閲覧権限を細かく設定できるので、こうした情報も追加し、社員の心身の健康維持や無理のない配置につなげていきたいと考えています。

これまでも社員の情報は蓄積していたのですが、見るべき人が必要なタイミングで見られる状態になっていなければ、宝の持ち腐れですよね。カオナビで一元化した情報を活かして、社員も会社も、さらなる成長を目指していければと思います。

設立
1947年10月
資本金
68億6770万円
社員数
619人(子会社含む、2022年3月31日時点)
事業内容
化学品製造業
  • ※インタビューの内容は取材時のものになります。

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