近年、株式会社東急モールズデベロップメントでは、「SHIBUYA109」を中心としたファッションビルの管理・運営から、「東急スクエア」ブランドをはじめとするショッピングセンターの管理・運営に事業の重点をシフト。その変化への対応と、商業施設マネジメントのプロフェッショナルの育成を目指す人事制度において、すでに5年以上にわたって「カオナビ」を活用しています。また、同社では「カオナビ」の新機能「SPI3」のテスト導入に協力。社員同士のコミュニケーションの深化に役立つのでは、と期待を寄せてもらっています。同社コーポレート本部 人事部の野村高明様、望月健太郎様、荻野妙子様に、現在までの「カオナビ」の活用状況と、新たな機能「SPI3」についてお話を伺いました。
株式会社東急モールズデベロップメントについて
東急沿線エリアの活性化を魅力的な商業施設の運営によって実現する
株式会社東急モールズデベロップメント(以下、TMD)にとって東急東横線、田園都市線をはじめとする東急沿線の活性化は重要なミッション。お客様に支持される施設づくりと販促によって集客力を高め、物販・飲食・サービス等の各種テナントのサポートを通じ、売上の最大化を目指す事業です。
野村高明様(以下、野村様):「私たちは沿線住民の生活拠点であるショッピングセンターを預かる企業として『日本一住みたい沿線をリードしていくSCの運営会社になる』を中期計画のビジョンに掲げています。計画に基づき、受託施設のブラッシュアップに取り組んでいますが、そのためには社員一人ひとりの成長は不可欠であると考えています」
望月健太郎様(以下、望月様):「弊社の強みは、管理する施設の多くが駅前に立地し、地域の生活に溶け込みやすい環境を得ていることです。特に近年では、『武蔵小杉東急スクエア』や『二子玉川ライズS.C.』など、ブランド化の進むエリアの商業施設も請け負っています。トレンドに敏感で、質の高いライフスタイルを持つお客様にご満足いただける施設づくりがますます重要になっています。そのため、社員一人ひとりに商業施設のマネジメントに対して高いプロフェッショナル性を発揮してもらうことを求めています」
人材育成方針の転換と「カオナビ」の導入
育成方針の転換で時代の変化に対応
同社はこの7、8年で激動の変化を迎えています。ニーズの変化に合わせ、ファッションビルからあらゆるライフスタイルに対応するショッピングセンターに改装したほか、基幹S.C.である「SHIBUYA109」の管理を会社分割によって誕生した新会社に移管。主力事業を生活に根ざしたショッピングセンターを中心とした受託管理にシフト。その結果、求める人材像や人材管理の方法も変化したそう。
望月様:「弊社では時代の変化に合わせて人材育成の方針も転換しました。エキスパート人材の育成は勿論のこと、近年では施設での各種業務や、本部での人事や総務等の業務をローテーションして多能工化し、商業施設マネジメントにおけるジェネラリストとしてプロ意識の高い人材の育成を行っています。自分の専門分野にこだわるのではなく、多様な観点でアイデアと実行力を持つ人材。変化の激しい消費環境と地域ごとのニーズに対し、チームで取り組んでいける人材を育成したいと考えています」
荻野妙子様(以下、荻野様):「また、2012年には中途採用のみだった採用方針を改め、新卒採用も開始しました。中途採用と違って基盤を持たない新卒採用に対し、会社として明確な育成プランや具体的な施策、確かな人事管理を整えることが急務でした」
野村様:「採用制度や人事制度の転換にともない、『カオナビ』を導入したことが想定以上の効果を発揮しました。というのも、『カオナビ』導入以降から現在まで、弊社は管理施設の変更や新設、分社化などによって毎月のように人事異動が必要となり、情報を一元管理できる『カオナビ』なくしては対応できない状況だったのです」
「カオナビ」の活用方法
SHUFFLE FACEでバランスの良い異動を実現
組織の変革期にあるTMDでは、人事異動が増えるなかで、適切かつ慎重な対応も求められていました。そのため、異動の調整に顔写真マトリクス機能であるSHUFFLE FACEを役立てているそう。
望月様:「新たな施設の受託管理が決まれば、本部や他の施設から人を移す必要が生じます。その際に、SHUFFLE FACEで、男女比や等級、年齢、能力など、施設同士の人材のバランスを見ながら微調整を行っています。そして、特に効果を発揮しているのは『現場への説得』のシーンです。配置の内示を現場に伝えると、必ず『もっと若い人が欲しい』『こういう人はいないのか』という要望が上がってくるものです。そのときSHUFFLE FACEの画面を直接見せて、他の施設と比較しながら、全体のバランスを考慮してベストな配置をしたことを説明できるようになりました。現場の納得感を高め、再調整の手間を減らすことができています」
PROFILE BOOKで社員間のコミュニケーションが活性化
また、人材データベース機能であるPROFILE BOOKは、社員間のコミュニケーションにおいて効果を発揮しているそう。
望月様:「異動の辞令を見た配属先の社員がPROFILE BOOKを見て『どんな人が来るのか』をチェックしているようです。拠点の多い弊社では顔を合わせたことのない社員も多いので、コミュニケーションの入口として重宝しています。研修履歴や資格情報なども登録すると、検索をかけてソートすることもできるので、さらに情報を充実させて活用していきたいですね」
社員の成長過程を「カオナビ」で可視化
TMDでは、社員の多能工な職業スキルを高めるために、毎年、全社員に「キャリア棚卸しシート」の提出を求めています。たとえば、商業施設に配属された社員の場合、「販促」「営業」「経理」「管理」の各業務で求められる職能に対し、10段階の習熟度で自己評価を行い数値化。上長との面談を通じて自己評価と現実の差を内省し、自分の現在のキャリアを把握します。このシートも「カオナビ」のSMART REVIEWで管理しているそう。
VOICE NOTEによって、会議の議事進行と資料作成が効率化!
さらに、社員へのアンケートを配信・収集する機能であるVOICE NOTEも積極的に活用しているそう。ちょうど取材の前日、「カオナビ」ではVOICE NOTEのアンケート結果に対し、グラフを自動作成する機能を新たに追加。その機能に対し、大きな期待を寄せています。
野村様:「実は先日、現行の人事制度をどう感じているかについて、VOICE NOTEを使って社員アンケートを実施したのです。その結果の資料を、パワーポイントでグラフ化してまとめていました。グラフを自動作成してくれるなら、資料作りの時間はかなり効率化できますね」
望月様:「そのほか、会議の参加者から事前に意見を集めるためにも活用しています。中期経営計画の検討会を行った際は、事前に『TMDの強みとは何か?』などの質問をVOICE NOTEで参加者に送り、会議の場では集まった意見を検討することに注力できました」
PICKUP LISTで社内サークル活動の連絡はスムーズに
また、PROFILE BOOKやVOICE NOTEに加えて、社員をリストアップする機能であるPICKUP LISTなど一部の機能を全社員に公開したところ、社員が自発的に「カオナビ」を活用し始めたそう。
望月様:「社員がPICKUP LISTを使ってサークル活動や有志によるコミュニティのメンバー管理を行っているケースは多いですね。活動や懇親会の日程調整や、アンケートなどに使っているようです。多拠点事業の性質上、人間関係が配属先のなかだけで完結しがちなので、コミュニケーションの活性化のために会社としても活用を奨励しています」
新機能「SPI3」について
社員の適性を4象限マトリクスでパッと把握できるタイプマップが「わかりやすい」
さらにTMDでは、この度「カオナビ」が新たに実装する「SPI3」機能を試験導入。株式会社リクルートキャリアが運営する適性検査「SPI3」と連携し、「基礎能力検査」のうちの「適性検査」を「カオナビ」上で受検できます。所要時間は30分程度。それだけで、社員の性格や組織適応性などを把握し、管理・分析することが可能に。その使用感は……?
望月様:「組織適応性を『創造重視』『結果重視』『調和重視』『秩序重視』といったタイプマップ(4象限マトリクス)で確認でき、社員の分布が表示される点がわかりやすいですね」
荻野様:「弊社は多拠点なので、社員がPCから受験できる点も取り組みやすかったと思います。そして、社員も事前に勉強する必要はないとわかると、みんな積極的に受けてくれました(笑)」
上司と部下のコミュニケーションを円滑にする
TMDでは、このSPI3の適正結果の活かし方について、管理職を対象に説明会を実施。管理職自身や部下の検査結果について、非常に盛り上がったそう。各管理職が検査結果に納得し、「彼には言い方を変えたほうがいいか」「私は性格通りの伝え方をしてしまっていた」など、部下とのコミュニケーションの取り方を反省する機会にもなったようです。
荻野様:「社員からも『上司への伝え方を考える上でSPI3の情報が欲しい』という声があがっており、コミュニケーションでの活用への関心の高さを感じます。弊社では新卒社員に対してメンター制度を導入しているので、メンターとしてのコミュニケーション方法の判断材料にもSPI3の検査結果を活用したいですね」
望月様:「人事異動においても、SPI3を判断材料のひとつに使っていきたいですね。検査結果は配属先の人間関係などの環境によって微妙に変わるものと思っています。だからこそ定点的に分析していくことで、適材適所の人材配置にも役立てられると考えています」
- 設立
- 2006年4月
- 資本金
- 100百万円(東急株式会社 100%出資)
- 社員数
- 215名(2023年3月末時点)
- 事業内容
- 東京・神奈川を中心に、さまざまなまちの暮らしに密着・地域に根差した商業施設を運営しています。
「グランベリーパーク」「二子玉川ライズ・ショッピングセンター」など、
東急線沿線を中心とした商業施設の運営を通して、お客さまへ新しいライフスタイルを提案します。