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横須賀市役所

データなくして戦略的人事なし。横須賀市が描く、これからの人事のあるべき姿

2024.07.23
課題
  • データを担当ごとに個別で管理しており、長期的な視点での戦略的人事ができていなかった
  • 評価などの人事に関する総合情報が蓄積されたデータベース化されていないため、人員配置の妥当性が判断できなかった
活用展望
  • カオナビに集約したデータを分析し、現状の課題抽出と施策の検討
  • 評価・人材配置・スキル管理・教育の連動
期待する効果
  • 効率的かつ効果的な人員配置の実現
  • エビデンスを持つことで、職員にとっても納得度の高い人事施策を実施
  1. 長期的な視点を持った人事戦略のために、デジタル化が急務だった
  2. 評価データの集約で“頑張った職員”が報われる職場へ
  3. 評価・人材配置・スキル管理・教育をカオナビで連動させる
  4. 必要なデータはカオナビで可視化できる。あとは施策を実現していくだけ

神奈川県の三浦半島に位置する横須賀市は海や自然に恵まれ、古くからの軍港都市としての文化が特徴です。同市は2024年10月よりカオナビを導入し、デジタルツールを活用した人材情報の管理や人事施策の推進を検討しています。
今回は同市のデジタル推進を担う、経営企画部 デジタル・ガバメント推進担当 部長 寒川孝之様、デジタル・ガバメント推進室 課長補佐 大島健範様にお話を伺いました。

※本記事の掲載内容は全て取材時(2024年5月29日)現在の情報に基づいています。

長期的な視点を持った人事戦略のために、デジタル化が急務だった

––はじめにカオナビ導入の経緯についてお聞かせください。

寒川様:
従来、本市職員の人材データはさまざまな形式・場所に散在していました。人材データベースがないため、データの分析やそれに基づく計画もままならず、長期的な視点による戦略的人事ができていなかったのです。

特に課題としていたのが職員の適正な人材配置です。「業務が忙しい」「人が欲しい」という声が庁内から上がるものの、適正な人員配置なのかどうかを判断する目安がないため、十分な根拠のある改善案を考えられない状況が続いていました。

大島様:
人事という業務柄、評価や異動検討の方法全てをオープンにすることは難しく、それが原因で業務改善が進まなかった面はあると思います。とはいえ、業務を行う人事課自体も年々増える業務量や人員減に疲弊していまして、刷新するかしないかの瀬戸際に立たされていました。

そこで、人材データの分析にしても、人事異動の検討にしても、まず元になるデータが必要と考え、人材データの一元管理を最初の目標に据えて、システム導入の検討をスタートしました。

––ほかのシステムも検討したなかで、カオナビを選んだのはどういった理由ですか?

寒川様:
外部アドバイザーの方から、渋谷区役所様でのカオナビ導入実績を耳にしていたこと。加えて、ある地方自治体向けセミナーでカオナビの話を聞いたところ、私たちのやりたいように異動配置の検討ができ、本市独自の制度にフィットする点が多いと感じたことが大きいです。

また、「政府情報システムのためのセキュリティ評価制度(ISMAP)」に登録されているシステムのため、セキュリティ面でも安心できました。

大島様:
導入の過程で他のサービスも検討しましたが、デモ環境を体験した職員の反応が最も良かったのがカオナビでした。直感的に操作できるUIが抜きんでている印象を感じましたね。

寒川様:
今の時代、マニュアルを見なければ分からないシステムは活用が難しいと思います。

業務システムとはいえ、膨大なマニュアルを見なければならない、直感的に操作できないとなると、結局詳しい人や所管の部署に問い合わせが増えてしまう。これでは業務効率化と真逆の効果しか生まれませんから。

経営企画部 デジタル・ガバメント推進担当 部長 寒川孝之様
経営企画部 デジタル・ガバメント推進担当 部長 寒川孝之様

評価データの集約で“頑張った職員”が報われる職場へ

––カオナビ導入後のイメージを教えてください。

寒川様:
冒頭でお話ししたように、横須賀市では「長期的・戦略的な人事を行うこと」を目的としています。
そのためにまずは人材データを一元化し、そのうえで「適正な人材配置・人事評価」「スキル向上のための教育プログラム」「職員のスキルアップ」「人員配置の検討」の4フェーズでタレントマネジメントのサイクルを回していきたいと考えています。

––最初のステップにあたる人材データの一元化ではどのような想定をされていますか?

大島様:
今年度から、これまで年度ごとに管理していた評価データをカオナビに集約。評価業務のフロー自体もカオナビ上で構築しテスト実施をする予定です。

長期的に蓄積された評価データを横並びに把握することで、「前の所属部署での評価はどうだったのか?」「この部署ではどんな評価だったのか?」などを分析し、評価の適正さを判断していきます。

寒川様:
今までの評価制度はいわゆる年功序列の傾向が強く残っていましたが、もはやそのやり方は古いです。
ちゃんとした働きがあるから給与を払う。当たり前のことですし、頑張っている職員が報われない制度では職員自身はもちろん、市民の皆さんの理解を得られません。

そういった背景もあり、昨年度から年功序列的に段階を踏まないと管理職になれない従来の昇任要件を見直しました。それ以外では、今年度の部長クラス給与と賞与には、新人事評価制度の評価結果が反映されています。
今後は評価結果を反映する対象職位を広げながら、並行してカオナビで評価フローのデジタル化を推進していく予定です。

経営企画部 デジタル・ガバメント推進室 課長補佐 大島健範様
経営企画部 デジタル・ガバメント推進室 課長補佐 大島健範様

評価・人材配置・スキル管理・教育をカオナビで連動させる

––人事施策の中でも重要視されている人材配置に関して、活用のイメージはありますか?

寒川様:
カオナビの導入によって個々のデータが可視化できるので、所属する部署でスキルを発揮できているか、課の要望に応えられているかなどを見ていきたいですね。それを踏まえて適正な配置を検討していきたいと考えています。

大島様:
本市の業務分野は大きく「窓口」「管理」「企画」の3つに分かれます。それぞれの分野ごとに取り組む仕事は全く異なるため、各分野で伸ばしたスキルが異動先では活かせないというケースも珍しくありません。

今後は過去の入社時点からの経験を把握することで、職員が培ってきたスキルを活かせる異動検討もできると期待しています。

––そうなると職員のスキル管理も視野に入ってきそうですね。

大島様:
「スキルマーケット」といって、職員が自身のスキルを書き込み全職員に公開する、スキルマップのような仕組みがすでに存在します。今までは「スキルマーケット」にスキルを登録したい職員を募集して、人事担当が応募内容を手動で入力していました。今後はカオナビによって人の手を介することなく効率的に運用したいです。

––職員の教育についてはいかがでしょうか。

大島様:
公務員は3~5年で全く異なる部署に移動するケースも多く、従来のスキルが異動先で使えないなどキャリアデザインが難しい職種です。

「この年度の職員は一定のスキルが弱い」「この部署にはこのスキルが必要」など、今後はカオナビでデータを可視化しながら、必要な研修を見極めたいと思っています。
そのうえで最終的にeラーニング機能も活用してスキル教育につなげていきたいですね。

寒川様:
今までお話しした評価、異動検討、スキル管理、教育は本来であれば連動してしかるべきだと思っています。
データの可視化の結果、どのような施策を打っていくべきかはまだ検討中ですが、少なくともすべきことが何か、がカオナビの導入によってはっきりしたという実感があります。

横須賀市が目指すタレントマネジメントのサイクル
横須賀市が目指すタレントマネジメントのサイクル

必要なデータはカオナビで可視化できる。あとは施策を実現していくだけ

――今後のカオナビの活用に向けた展望を教えてください。

寒川様:
各職場で叫ばれる「忙しい」という状況が、具体的にどのような状況なのかを把握すること。その上でより良い人員配置につなげることが目標です。
業務が増えれば人が欲しいという話になりがちですが、そもそも10人いる職場に本当に10人いるのが正しいのか。その前提も含めて検討する余地があると思っています。

それに加えて、意欲の高い人材がやりたい仕事に就くことができる環境も整えたいですね。若い職員が夢を持って、楽しさを感じながら仕事をしてくれたら、市民の皆さんにもさまざまな形で還元できるはずです。

大島様:
インフラも人事戦略も制度のクオリティも、カオナビ導入前とは全然違うと職員にも実感してほしいですね。
今まではデータがなくて苦労することばかりでしたが、今後はその前提をクリアできる。あとは分析や制度の設計など、すべきことを実現するだけだと思っています。

設立:
1907年2月
社員数:
3,436人(2023年4月1日時点)
  • ※インタビューの内容は取材時のものになります。

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