課題
- 使用していた人事管理システムでの情報管理が限定的、かつサービスの更新が受けられなくなった
- (前記により)人事データが部内に点在しており、必要なデータをすぐに見つられないことが多かった
- メールでのワークフロー申請を許可するも、進捗管理できず、提出先に迷うことがあった
活用法
- 人事情報のカオナビへの集約
- 集約したデータの分析や施策への展開
- 経営層や従業員が必要とするデータの社内開示
効果
- 必要な情報を迅速に引き出せる環境を構築
- カオナビ内でデータを連携させることで、個別にデータを書き換える手間を削減
- 申請に関する問い合わせ減少で担当者の負担を軽減
「弥生会計」をはじめとした業務ソフトの開発・販売・サポートを行っている弥生株式会社様。主に中小企業、個人事業主、起業家を対象に、クラウドやPCのデスクトップ環境向けの会計・給与システムサービスを提供しています。
今回は、カオナビを導入した経緯や活用方法について、人事本部 マネジャー 金子 明様、人事本部 シニアマネジャー 早川 慎哉様、人事本部 中山 早慧子様にお話を伺いました。
※本記事の掲載内容は全て取材時(2025年2月5日)現在の情報に基づいています。
描いた将来像に最も寄与してくれるシステムだと感じた
──はじめにカオナビ導入の経緯についてお聞かせください。
金子様:
従来の人事管理システムは情報収集がメインでしたが、今後の人材戦略を考えたところ、データの分析・活用ができるツールが必要と考え、新システムへのリプレイスを検討し始めました。
従来システムでは、フォームの自由度が限られ、別途でデータ管理せざるを得ない状況が続いていました。そのため、データごとに従業員マスターデータの更新が必要で、都度対応するのは負担でしたし、何より業務の精度に問題がありました。
──システムを導入するまでの経緯について教えてください。
金子様:
コロナ禍中、給与明細の電子化、勤怠管理のリプレイス、電子契約・健康管理システムの導入を進め、最後に人事管理システムの検討となりました。データの集積・蓄積から分析・活用まで行えることを前提に、社内コミュニケーションの活性につながり、かつ人的資本開示に備えるシステムの導入をと、数社にプレゼンを依頼。星取表を作成して機能比較したうえで、社内システムの開発メンバーにもシステム・セキュリティ面の評価をしてもらい、最終的にカオナビを選びました。
──複数のシステムの中からカオナビを選んだ理由はなんでしょうか。
金子様:
最終的にタレントマネジメントシステムを得意とするシステムと、労務を得意とするシステム含め、計4社での比較になりました。
そこで考えたのが「システムを導入した上で、将来的に何を実現したいのか」ということです。労務システムはあくまでベースの業務を効率化することが目的ですが、その先の情報の利活用を考えると、きちんと目的に沿って柔軟に使えるシステムが良いと考えました。その結果、カオナビが最も私たちの描く将来像に寄与できそうだと判断しました。
人事本部 マネジャー 金子 明様
労務管理から組織開発まで、幅広くカオナビを活用
──現在、総務労務チームで活用されているワークフロー機能についてお聞かせください。
金子様:
総務労務チームでは、まず既存システムからカオナビへのデータ移管、点在するデータの集約から着手しました。現在は、常に最新のデータを保持できるよう、ワークフロー機能で集約した情報をデータベース機能「プロファイルブック」に自動で取り込める環境を一定程度構築できました。おかげで情報の管理がとても楽になりました。
また、入社時に必要な資料から勤務証明書に至るまで、各種提出資料を可能な限りフォーム化。各担当者や従業員が、必要な時にワークフローで申請する仕組みで情報を管理・集約しています。
カオナビのワークフローでやり取りするよう促すことで、効率的に情報収集できるだけでなく、提出フローのどこで停滞しているのかも進捗管理できるようになるので助かっています。
カオナビのワークフロー機能画面イメージ。複数の申請書類を効率的に管理・集約できる
──続きまして、組織開発チームでのカオナビ活用法についても教えてください。
中山様:
従業員の経歴、資格、スキル、評価といった人事情報をもとにした、人材の採用・育成・配置を目的として運用しています。
昨年1年間は「情報の見える化」を目指し、研修履歴、評価、保有資格、面談履歴などの情報を順次カオナビに集約。今年は、それらを活用した人材戦略なども考えています。
具体的には、今期の事業戦略に必要なスキルセットを明確にしてミドルマネジメントを中心とした育成につなげたり、キーポジションやタレントの要件を定義して戦略的な配置につなげたりしていく想定です。
──一般ユーザーのログイン率が他社と比べて高い傾向にありますが、そのために行っていることがあれば教えてください。
金子様:
カオナビ導入以前から、従業員の基礎情報や内線番号、上長情報などをローカルシステムで公開しており、もともと「システムで情報を見る」という習慣があったことが大きいと思います。
加えて、顔写真や自己紹介など、ある程度各自で情報を編集できる設定で展開したことで、従業員が自発的にカオナビを開く機会が増え、それに伴い「カオナビを見れば情報が揃っている」という認識が広がったのでないかと思います。
また、ワークフロー機能を導入したことで、業務上必ずカオナビとの接点が生まれるようになり、さらなるログイン率の向上につながったのではないでしょうか。
人事本部シニアマネジャー 早川 慎哉様
メールでのやり取りを廃止!一元管理で負担を大幅軽減
──カオナビを導入し、どのような効果を実感されていますでしょうか。
金子様:
以前は情報が部内に点在していたため、例えば給与情報に変更があった場合、給与ソフトだけでなく、関連するデータを全て手動で修正する必要がありました。しかし、今は全データをカオナビに集約しているため、1つの情報が変更されれば、他のデータも連動して変更される、あるいは確認できる仕組みを構築できています。
入社時に必要な書類も「ワークフロー」を使用し、自動で専用シートに連携されるため、今まで行っていたメールでの資料のやり取りもほぼ廃止できました。
早川様:
評価業務が一元化され、各部門での評価プロセスの可視化・効率化を実感しています。特に、目標設定や評価の進捗状況が可視化されることで、人事としても組織全体へのフォローがしやすくなりました。これにより、従業員の目標達成に向けたサポートや改善点のタイムリーな把握が可能になるなど、その効果を感じています。
中山様:
全体的に、従業員からの問い合わせが減りました。導入以前は評価の履歴などについて、都度問い合わせが発生していましたが、現在は評価や研修履歴なども含めて各種人事情報を各自がカオナビ上で確認できます。問い合わせが減ったということ自体、カオナビが活用されている証拠だと実感しています。
人事本部 中山 早慧子様
情報収集ツールから、従業員パフォーマンスを最大化するツールへ
──今後のカオナビにおける活用展望、担当者としての目標などあれば教えてください。
金子様:
データの集約やワークフロー設計はできてきましたが、導入当時掲げていたデータ収集・蓄積から活用展開へ、というステップはこれからが本番です。私たちはどちらかといえば労務管理メインのチームではありますが、今後はその先にあるデータ活用に注力していこうと考えています。
中山様:
全社が掲げる人材育成や人材活用の方針に沿って、カオナビの運用方法を検討するのが私の役割です。カオナビのサポート担当者の力も借りながら、カオナビでできることを明確化し、業務の効率化や情報の活用をさらに推進していきたいですね。
早川様:
従業員のパフォーマンスを最大化するために、データを活用することが最終目標です。今はまだ補完的なツールとして活用している段階なので、今後はデータを分析して人事戦略や経営施策にも活用していきたいです。その結果、組織や個人の成長に寄与できると、カオナビ活用がさらにおもしろくなってくるのではないかと思います。
- 設立:
- 1978年12月
- 社員数:
- 937名(2024年9月時点)